化学物質の経皮吸収と毒性一溶剤を中心として一2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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 吸収過程での物質の吸収経路は角質層を通る路(bulk)
と汗腺や毛包脂腺などの皮窟付属器官を通る路(shunt )
に大別される.

Bulk は更に角質細胞内を通る路と角質細胞間隙を通る路に別れるが, 角質層表面における細胞間隙路の専有画積が1%程度と小さく,かつ, 細胞間隙路が曲りくねって長いことから,このルートでの物質の吸収は少なく,電解質類やニコチン酸エステルなどでわずかにこのルートの役割が報告されている.

Shunt の場合も汗腺を通る路と毛包脂腺を通る路に別れるが,汗腺の皮庸表面に対する専有面積が10~3% と非常に小さいことから, このルートの寄与はほとんどないとされている.

したがって,一般に物質の吸収経路は角質細胞層を通るbulk と毛包脂腺を通るshunt になる

.Shunt はbulk に比ぺて拡散抵抗が小さく物質の透過に都合よいが,皮膚表面での専有面積が0.1% と小さい.

一方,bulk はshunt に比べて拡散抵抗が大きいが, 皮膚表面の大部分を占めるという特微がある.
(略)

・経皮吸収に及ぼす因子  

化学物質の経皮吸収は多くの因子によって影響を受ける.最も大きな因子は接触皮膚面積と接触時間であるが, 単位皮膚面積当りの経皮吸収速度に及ぼす因子としては化学物質の物理化学的性質,皮膚の性状,外部環境などが上げられる.
 物理化学的性質には分子量,溶解性, 吸着性, 代謝性などがある.この内で最も大きな因子は溶解性である.
Treherne23〕は非電解質物質の水溶液からの皮膚透過性は(エーテル/水) に対する分配係数の1 に近い物質ほど大きいと報告している.

Scheuplein らはアルコール水溶液でのアルコール類の皮膚透過性はアルコールの(角質層/水) に対する分配係数の大きいアルコールほど大きいとを明らかにしている.

分子量の影響はヘリウムと血清アルブミンとのように分子量に大差のある場合には低分子量の方の皮膚透過性が大きいが、分子量にあまり差がないものでは影響は少ない,ただし, 分子量の違いに伴う物理化学的性質の変化によって見かけ上分子量と皮膚透過係数の問に順相関が認められるアルコール類の場合もある.
ステロイド化合物や多環芳香族化合物などでの角質層内での吸着や表皮中での代謝作用により物性が変化して経皮吸収速度の変わるものがあり, また,

宋稍血管を拡張又は収縮させる薬理作用のあるものなどでも経皮吸収速度が変化する.