-6:食品製造現場における化学物質混入対策 | 化学物質過敏症 runのブログ

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5. 異常時の対応

化学物質が混入した製品が間違って正常な製品と共に出荷されることがないようにしなければならない。

そのためには、化学物質が製品に混入した場合、もしくはそのおそれがある場合、どのような対応を取るべきなのかもある程度事前に考えておく。


5.1 異常があった時の対応

他の管理同様、決められたことが出来なかったときどうするのか、化学物質の管理についても決めておく必要がある。

洗剤や添加物など日常的に触れている化学物質などに対しての危険意識は低いことも考えられる。

化学物質が混入することの危険性も含めて対応方法を知り、異常があった場合に素早く気付き、改善措置をとることが出来るよう、定期的に確認する必要がある。


5.2 フードディフェンスという考え方

意図的な混入が疑われていた中国冷凍餃子事件のように、故意に化学物質が製品に混入されるという可能性も、化学物質を管理する上では考えておかなければならない。

意図的な混入が行われないような管理をしていなければ、実際に化学物質を製品に混入されるだけでなく、「化学物質を製品に混入した」という虚偽の情報があった場合に対応が取れない。

工場のどこでなら混入が可能なのか、混入を防ぐためにどういった対応をとっておくべきなのか、考えておく必要がある。
普段している管理で対応できることもいくつもある。

従事者の持ち込み品を制限しているのであれば、同時に危険物を場内に持ち込んでいないか確認することができ、外来者の入場チェックをしているのであれば、入場者の制限、持ち込み品の制限もできる。


6. さいごに

化学物質は種類も多様で食品製造場内からなくすことは難しい。

また、一度場内の化学物質を把握したとしても、新たな化学物質は持ち込まれる可能性がある。

化学物質は、不十分な管理が事故に直結するため、従事者全員が危機意識を持って、ルールを確実に守る必要がある。

定期的に管理内容、状況の確認、および協力業者など外部からの情報を活用しながら、常に説明の出来る管理が行われている状態にすることが重要である。

本稿をきっかけに、改めて現状や管理内容をご確認いただきたい。

参考文献
•江藤諮、島田博行:5Sを基本とした非生物系異物の管理システムとその運用、人を動かす食品異物対策、サイエンスフォーラム、201-254(2001)
•アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック、消費者庁(2010)
•イカリ消毒株式会社:食品事故ゼロをめざす!食品衛生「基礎のキソ」コース1、JIPMソリューション、55-68(2010)
•井上好文、AIB → フードディフェンスセミナー、日本パン技術研究所(2010)
•河端俊治、春田三佐夫、細貝祐太郎:実務食品衛生、中央法規出版、170 - 171(1990)
•大阪府ウェブサイト、食品等の回収情報


runより:ぶっちゃけ品証と品管がまずしっかりしていなくてはいけないですね。

作業者に嫌われて当然の仕事、私は品証の仕事を経験しているので誰かのせいで頭を下げている人が居るというのを痛感した事があります。