-5:食品製造現場における化学物質混入対策 | 化学物質過敏症 runのブログ

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4.2.2 化学物質の使用ルールの構築

製造場内にある化学物質の選定・把握が出来れば、その化学物質を正しく取扱うことが必要になる。

特に製造場内で使用する化学物質については用法・用量を確実に守ることが重要である。

そのためにはルールを決め、実行していくことが効果的と考える(表5)

〈表5 化学物質の使用ルール(例)〉




化学物質の使用ルール(例)

製造場内にある化学物質は、それを取扱う従事者も多い。

洗浄・殺菌を行う人など従事者のほとんどの人が当てはまる。

化学物質を取り扱う全ての人を制限することは難しい。

化学物質を管理する上で、重要と考えられる部分、たとえば受入、保管管理、小分けや希釈、および購買などの担当者は制限するべきと考える。

保管方法や希釈倍率などは化学物質の種類によって異なるため、不特定多数の従事者が管理に携わることは、それだけ間違う確率も高くなる。

洗浄剤や殺菌剤の希釈ミスは、適切な効果が得られないばかりか、通常の洗浄ではすすぎきれずに残留してしまうこともある。
したがって、重要な部分の管理担当者は制限し、適切な教育を実施することが重要である。

食品工場で使用される化学物質は小分け、そして希釈をすることが多い。

もともと入っている容器から小分け容器を使用する場合はその容器への内容物表示もしくは相応の識別の工夫が必要である。

小分け容器に表示がない、もしくは担当者のみが内容物を把握している管理は不十分である。

表示、識別には、内容物毎の容器の色分け、小分けする化学物質のメーカーが出している専用の小分け容器の使用など、方法は様々ある。

すべての化学物質は定位置管理と、使用量の確認を実施する。

保管位置、使用量を管理することで、誤使用や在庫の異常な増減などが発生した場合にもすぐに対応することが出来る。

化学物質の種類によっては法令で「毒物」「劇物」「劇薬」に指定され、「施錠できる保管場所に保管する」ことが定められているものもあるので注意しておく。


4.2.3 取り扱い者の教育

化学物質を取り扱う担当者には、決めたルールを把握してもらわなければならない。

内容を把握させるだけでなく、使用目的、方法、注意点などの理由も含めて教育をする。

それを担当者に理解をさせたうえで、徹底して実施させることが必要である。また、取り扱う化学物質に関して異常が発生した場合の対処方法についても教育しておかなければならない。
たとえば、受入を担当する者には化学物質を受け入れる際に外観、名称、数量などを確認し、異常があった場合に上司に報告をする、受入を拒否する方法も教えておく。
保管方法や希釈倍率は化学物質毎に異なるため、それぞれの保管方法・希釈倍率を守ること、守らなかった場合にどうなるのかも教える。

保管方法を間違えると種類によっては法律に違反したり効果が失活する恐れがある。
また、取扱う担当者だけでなく管理する側にも教育が必要である。

普段、場内で何を意識するのか、異常が起こった場合に何をすべきなのか理解する。


4.2.4 使用状況の確認

取り扱い方法を決め、担当者に教育をした後、ルールが守られているか、決めたルールで期待した効果が得られているかを実際の現場の状況や担当者へのヒアリングなどで確認する。

化学物質の管理のみを見るためだけに点検をする必要はない。通

常の衛生監査などに合わせて、化学物質についても点検をすれば十分である。

点検をする際には、場内に把握していない化学物質がないか、識別・保管方法が守られているか、在庫数は妥当か、何か問題があった場合に適切に対応できているかなどを確認していただきたい。

表6に点検項目の一例を示す。

〈表6 点検項目(例)〉




点検項目(例)