3)衣食住の具体的な対策ー2 「衣類雑貨」について
基本的には、下着や肌着など、直接肌に触れる衣類やタオル、寝具などの生活雑貨は、とりあえず「オーガニックコットン」をオススメしています。
というより、それしか使えないような状態になるはずですから、選択の余地はあまりないのですが、、、、、また、化繊の下着などが何でも着られる人、使える人は、なんの過敏症なの?って思いますので、細かな点は割愛しています。
オーガニックコットンを勧める理由は、1)余計なニオイが短期間で取れやすい、2)過敏性の高い肌に馴染みやすい、3)一般的にも入手しやすく、選択の余地がある、などです。
特に1)のニオイがとれやすい点は、着る物が無くなった過敏症さんにとって生命線ですので、できるだけ早い時間で着られるようになるのが、オススメする理由の第1条件です。
手頃なものなら無印良品ストア、ハーモネーチャー、など、ネット通販がありますし、日本オーガニックコットン流通機構ではカタログ通販が可能です。
発症者の多くが低体温、冷えがありますので、防寒対策として、カシミヤセーター(軽くてニオイも抜けやすい/ユニクロでもどうにか・・・)、インナーダウンジャケットとダウンパンツ(モンベル製/表裏地:ナイロン製+羽毛)なども紹介します。
化繊でも、ポリエステル類(ニオイが抜けにくい)、フリース類(静電気がスゴイ)は、たぶん着られない方が多いので、あまり勧めていません。
さて、皆さんが知りたい点は
「これらを買ったはいいけど、どうやってニオイを抜くのか?」という質問への回答。
・いきなり洗濯機で洗うのは避けましょう。他の洗濯物、洗濯機がダメになる場合もあります。
・まず蓋付きのバケツを用意します。下着類など少なめのものなら100円ショップでもあります。
衣類、寝具など大きめなものは、15~20L のバケツや、漬け物樽(プラ製)がDIY ショップやネット通販で入手できますので、少し多めに用意します。
・バケツに石けん洗剤を入れ、ぬるま湯を3cmくらい足して、泡立て器で撹拌し、洗剤を起こします。特に粉石けんの方が汚れ落ち、ニオイ抜きには優れていますが、この泡立て作業がポイントです。
・溶かした洗剤溶液を、つけ込み用のバケツ(樽)にうつして、ぬるま湯を足します。
・CS 本人の場合は、そのまま新品の衣類を、種類別にしてつけ込み、ぬるま湯を足します。
そのまま、2~3日放置して、まず最初の洗いを始めます。
・本人以外の場合は、最初にたらいで手洗いでゴシゴシと全体を洗います。(キャンプ村では「おしん」と呼ばれていました)
・CS 本人の場合は、洗濯機で洗います。(念入りモード)
・丈夫なハンガーやピンチハンガーで外干し、日夜2~3日程度、同じく放放置します。
・ニオイを確認して、同じ作業をだいたい2回(オーガニック)~5回やるとニオイ(化学物質臭)が減って、着られるようになると思います。安価、粗悪な衣類(特にゴム類)は、数十回洗っても、決して着られるようにはなりません。それも「安物買いの銭失い」、何度も経験があります…>_<…
・これらの作業が、オーガニックコットン、国産良質コットン100%だと、とにかく少なくて済みます。色物は要注意、白系、キナリ、アースカラーになりがちなのは、体調改善中はしょうがないかもしれません。
・下着類、とくにゴムを使ったパンツやズボン下、部屋着などは、ゴムがとてもニオイます。
昔ながらのゴムを交換できるタイプの下着(グンゼ・快適工房など)であれば、ネット通販や100円ショップ(ダイソー)でライクラゴムを入手して、ゴムを交換することで、手早く着られるようになります。
・排毒中は、自分から化学物質が出ますので、衣類や寝具、タオルなどにも付着します。
ニオイ抜きの方法は同様ですが、気になるようならば、消耗品とわりきって、早めに新品を入手してニオイ抜きし始めましょう。
石けん以外に、重曹(消臭力高い)、クエン酸、アルカリウォッシュ(油、血液汚れ)なども上手に使って、快適な衣類対策をマスターしましょう。
・今まで着ていた物、使っていた雑貨類と一緒にしてしまうと、ケミカル臭が移ってしまって、すべてがダメになる事があります。切り替えるときは思い切って、すべてを同時に、古い物は処分する覚悟で。
・また、収納にも要注意。プラケース、段ボール、タンス、すべてケミカル臭が衣類に移りますので、収納するものも、同様に洗って干してのニオイ抜きが必要になります。
または、そのまま部屋に干して同じニオイにしておく方が安全です。
・ニオイがつきやすいのでは?という情報があるようですが、何が基準で、優先して、どんな状況で?というのがわからない情報ですので、返答のしようがありません。
過敏症発症段階では、上記のような流れの中で、基準は自分の体感&嗅覚、優先は、とにかく着られるもの、状況は室内(療養)メイン、という条件として、オーガニックコットンしかない、というのが私たちの見解です。
4)衣食住の具体的な対策ー3 「食べ物~無添加・オーガニック食材」について
基本的にオーガニックを勧めていますが、有機栽培、無農薬栽培、自然栽培、特別栽培など、食を気にしてこなかった人たちには、とても分かりづらい基準に見えるらしく、何を選んでいいのかわからない、という質問が多くあります。
簡単にまとめられた文章を転載します。
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「有機栽培農産物」「有機農産物」「有機○○」「オーガニック○○」などの表示はすべてJAS法の認証制度の認定を受けたものです。
「有機栽培農産物」は化学合成農薬、化学肥料、化学合成土壌改良材を使わないで(ただし、指定された天然系農薬の使用は認められています)、3年以上を経過 し、堆肥など(有機質肥料)による土づくりを行った場所で収穫された農産物をさし、3年未満6ヶ月以上の場合は、「転換期間中有機農産物」といいます。
また、無農薬、減農薬、低農薬などの表示については平成16年からなくなり、農水省のガイドラインで、化学合成農薬、化学肥料の両方を5割以上減らして栽培された農産物はすべて「特別栽培農産物」と表示されることになりました。
現在では、「無農薬」「減農薬」などの商品表示は禁止されています。
天敵と特定農薬のみを使用している場合は「農薬:栽培期間中不使用」と表示します。
「特別栽培農産物」という表示をしたいために、農薬回数を減らす方法として、強い農薬を使うこともあると聞きました。
買い物をする時は細かい表示を確認して、信頼できるものを買ったほうが良いでしょう。
無肥料栽培と自然農法は同じもので、農薬と肥料を一切使用しないで作った作物のことです。それに加えて、自然農法を不耕起(耕さない)、不除草(除草しない)で、自然にまかせた農法だとする考え方もありますが、そのあたりの線引きはあいまいなようです。
有機肥料を使うと硝酸性窒素が多くなり、それが虫をおびきよせる原因になったり、人間の体にもよくないという考えから、無肥料栽培(自然農法)では肥料を使わないで作物を栽培します。
有機肥料の中には動物の糞尿が含まれており、その中には抗生物質が含まれていて、その影響で土の中の微生物バランスが崩れて特定の病原菌が突出してしまうそうです。
肥料をまかずに土を元気にすることで、元気な野菜が育つということです。
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有機栽培のお米や野菜でも、動物性堆肥(牛糞、豚糞、鶏糞など)が含まれていると食べられない、という過敏症さんがいるのも事実です。
送付の際に、段ボールや包んだ新聞紙、詰め込んだ人のハンドクリームやゴム手袋、梱包室や倉庫のニオイなどが食品に付着してダメ、宅急便ドライバーのタバコ臭が移って部屋に入れられない、というケースも多々あります。
食品なのか、物流なのか、倉庫、人間、様々なケミカル曝露が考えられますが、原因は見つかりにくいので、安心して食べられる食品、無添加生活の生産者、農家さん、流通業者など、地域で異なるため、とにかく、試して、食べられるものを見つけるしかありません。
人気の食品配送、大地を守る会やオルター、ナチュラルハーモニー、オーガニックパパなどをはじめ、命の恩人である赤峰勝人さんのなずなの会、厳選米ドットコムなど、様々なオーガニック食材提供者がありますので、とにもかくにも、お試しいただいて、美味しく安全な食べ物を手にいれていきましょう。
キャンプ村では、健康市場を通して、療養者に食品を配送していますが、上記のようなトラブルが無いようにしているのは、自分たちが発症者であるゆえ当然のことで、他にそれをすべて求めるのは不可能なので、ここでできるだけの対策をしています。