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読売新聞、電磁波発癌問題でドコモ・KDDIなど企業名をことごとく隠す 大量の広告貰い沈黙
22:01 09/26 2011
黒薮哲哉
9月16日付けの中央紙各紙に掲載されたNTTドコモの全面広告。特別企画「明日に挑む」の4回目。
5月に世界保健機構(WHO)が携帯電磁波の発癌性を指摘したのち、雑誌やネットを中心に電磁波問題が報じられるようになった。
こうした中で、読売新聞は、「環境過敏症」という連載で、この問題を取り上げた。
ところが、業界最大手のNTTドコモに関する記述は、ゼロだった。
沖縄セルラーとKDDIに関する記述も、具体的な肝心の企業名を、匿名とすることに徹した。
一方、紙面広告の出稿量を調査した結果、NTTドコモが9月の連載期間中(8日間)だけで5ページに渡る「全面広告」を出稿していたことが判明した。
広告主の利益ばかり考え、生活者の立場から見たら加害者であるケータイ各社の実名を隠してしまう新聞は信用できるのか。
5W1Hの基本的事実すら報道できない読売新聞の凋落を、メディアリテラシーの視点から検証した。
新聞広告は、新聞ジャーナリズムに何らかの影響を及ぼすのだろうか?そんな問いを提起する記事が、読売新聞に掲載された。
シリーズ「増える環境過敏症」である。9月8日から15日にかけて5回にわたって掲載された連載記事である。
各記事のタイトルは次の通りだ。
第1回-規制外の化学物質で変調
第2回-超低周波音の対策遅れ
第3回-アンテナ増設 家族に異変
第4回-電磁波の影響 診断法なく
第5回-Q&A 国は率先して健康調査を
読売新聞社の主筆兼会長の渡邊恒雄氏。景品付き販売を続け、企業からは年間で約800億円の広告収入を得る。渡邊氏が目指す新聞ジャーナリズムとは何か?。
これらの記事は現代社会が求める利便性の負の産物として生まれた化学物質や低周波音、それに携帯電磁波などが人体に及ぼす影響などを指摘したものである。
わたしは一連の記事を読んで、読売新聞が展開している新聞ジャーナリズムの限界を感じた。情報の発信が遅く、しかも肝心要な部分には触れない。その背景には、広告主に対する配慮がある可能性が否定できない。
少なくともメディアリテラシーの観点から言えば、この点を考慮して一連の読売報道を評価する必要がある。
事実、後述するように、「増える環境過敏症」が連載された9月の中旬、携帯電話の最大手・NTTドコモは、中央紙に対して信じがたい量の広告を出稿している。
ちなみに読売新聞の広告収入は、次に示すように長いスタンスで見ると激減している。
2002年3月:約1507億円
2011年3月:約 801億円
これらの数字は、読売の主筆兼会長・渡邊恒雄氏が今年7月の読売七日会、東京読売会の合同総会で、みずから公表したものである。
落ち込み幅は、約47%。広告収入の減少が読売の屋台骨を直撃していると考え得る。
◇電磁波問題と環境ホルモン
まず、わたしが読売の連載記事で違和感を感じたのは、「増える環境過敏症」というシリーズのタイトルである。
「環境過敏症」という造語自体が突飛な印象を受けるうえに、「過敏症」という表現は被害者の間では、誤解を招く言葉ではないかとの議論もある。
と、いうのも化学物質は、環境ホルモンとして作用することがあるので、「過敏」な特定層だけではなくて、曝露した者はだれでも等しく被害を受ける可能性が否定できないからだ。
化学物質などによる身体の異変は、曝露量が蓄積して臨界点に達した時、はじめて現れるというのがオーソドックスな考えである。
たとえば福島第一原発の事故の後、曝露量の蓄積と発病の関係が繰り返し議論されたことは記憶に新しい。
しかし、環境ホルモンという視点から曝露を考えると、化学物質が環境ホルモンとして作用したときは、曝露量の蓄積とは関係なく、たった一度の曝露(シングル・ヒット)でもDNAの破損などを引き起こすことはよく知られている。電磁波についても同じ原理が働いている可能性が強い。
たとえば水俣病訴訟や「よみがえれ!有明」訴訟をはじめ数々の環境問題に関する裁判に取り組んできた馬奈木昭雄弁護士は、9月11日に長野県塩尻市でおこなった講演の中で、環境ホルモンの観点から携帯電磁波の危険性を指摘している。(注:記者メモを参照)
とすれば、新世代の公害を論じるときに「過敏症」という表現は、問題の過小評価につながりかねない。加害者責任よりも、被害者の自己責任を強調する表現といえよう。
化学物質などが引き起こす公害は、「過敏症」の人だけに特有の問題ではない。
だれもが該当する問題なのだ.....
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runより:携帯の電磁波問題はとにかく敵が巨大な企業だという事です。
報道されないのもこういう事情があるからですね(´・ω・`)