青梅市でアブラムシ防除の農薬散布 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・青梅市でアブラムシ防除の農薬散布
住宅地でのネオニコ散布は子どもに危険!
理事 水野 玲子
「わずか2、3種類の害虫を殺すために自分自身の破滅をまねくとは、知性あるものの振る舞いだろうか」。

これは半世紀以上前にレイチェル・カーソンが『沈黙の春』で述べた言葉だが、それと同じことがまだ日本でも起きている。

たった一種類のアブラムシという害虫を根絶するために、東京の西、青梅市を中心に2015年春からネオニコチノイド系農薬(以下「ネオニコ」)の大量散布が始まった。
 青梅の梅林はこの地域の観光名物である。

2009年、そこのウメにこれまでわが国で発生がなかったプラムポックスウイルス(PPV)による病気が初めて確認された。

このウイルスはアブラムシにより媒介されるとして、東京都と農水省はこのウイルスの広がりを防止するために対策に乗り出した。

青梅市の梅の公園「吉野梅郷」の梅1266本はすべて伐採され、2009年から12年、農家や植木などの梅の木が約2万6千本伐採された。

地域住民にとっては身を切られるような苦渋の選択だったに違いない。

2015年春の青梅市の風景はすっかり寂しいものになってしまった。
 伐採後3年間周辺で新たな感染がない限り、新たに梅を植えることができない。

2016年の梅の再植栽に向けて、一刻も早くこのウイルスを徹底的に根絶したいとする地域住民が国にさらなる対策を要請したこともあり、伐採だけで終わらず、住宅地にある梅の木などに2015年からネオニコ散布が開始されることになった。

ネオニコ散布の強化地域には、一般住宅約4000戸、学校1校、保育園2園、幼稚園1園がある。

しかし、大多数の青梅の住民は、ネオニコの名前すら聞いたことがなく「わが家にも消毒、宜しくお願いします」と農薬散布への協力を素直に受け入れている。
 アブラムシ防除の第1回は今年4月に実施され、2回目は11月、3回目は来年3月に予定されている。

対象植物はウメ、モモ、スモモなど。

散布薬剤はネオニコ系のチアクロプリド、アセタミプリドとフロニカミドである。1回目の散布翌日には青梅市にもミツバチの死骸が散らばっていたことが確認されている。
 しかし、この度の散布のターゲットは一般住宅地の梅の木なのだから、虫が死ぬことより住民の農薬による健康被害の方がよほど気がかりである。

アセタミプリドは以前、群馬県や長野県で散布された時に子どもを含む住民の健康被害が報告されており、しかも、欧州食品安全機関(EFSA)が、子どもの脳神経の発達に悪影響を与える可能性を指摘し、ADI(一日摂取許容量)などの引き下げを勧告した農薬のひとつである。
 2015年4月末、青梅のネオニコ散布の現場を訪れた時、何よりも驚いたことは、散布している人達が市販のマスクをつける程度の防具で、安全な消毒をしていると思っていたことだ。

散布の様子を子どもも家の外で見学していたが、アセタミプリドは毒物及び劇物取締法で劇物に指定されているほど毒性が高い。
 住宅地での危険なネオニコの大量散布が始まっている。

せめて幼い子どものいる家庭だけは薬剤散布ではなく別の選択をすべきである。

どうしてもアブラムシ防除が必要なら、木の伐採などの別な選択があることは市も認めている。

ネオニコがこの土地に住む子どもの脳神経にも影響があることを、一刻も早く住民に周知するべきだと地元市民が動きだした。

幼い子どもを守るためにも、多くの人がこの問題に関心を持つことが求められている。