神経、免疫系、内分泌への影響
「神経」「免疫」「内分泌(ホルモン)」の3本柱によって、私たちの体の健康が保たれていますが、まず、神経の方から、ちょっとご覧いただきたいと思います。
エピネフィリンとか、このあたりのものは、普通の60Hzの交流電磁波で-強さはわりと強いですが-影響が出ています。
問題は、この神経系の反応というのは、曝露時期によって変動する場合があることです。ある時期には強い、ある時期は減るという場合があります。
たまたま、その中間の移行期に測ってしまうと異常が出ないこともあるものですから、行政側の立場とか企業側の立場の人が影響の出ないところを一生懸命見つけて報告されると困るのですけれども。
こういうモノアミンというものは、基本的な交感神経などに関係するものです。
それから、GABA(ガンマーアミノブチリックアシッド)。これはどちらかというと、神経系の抑制、落ち着かせるほうの働きになりますが、こういうものにも影響する。
それから、アセチルコリンという、非常に原始的な一番基本的な神経伝達物質ですが、これにも影響する。特に海馬ですね。海馬は記憶と情緒の中枢です。そこに影響してしまう。
それから、セロトニン。これも私たちが実験をやりましたが、1993年ですから相当前になります。このときも海馬、そして自律神経の中枢の視床下部、こういうところのセロトニンが増加してくる。
まあ、いろいろなところに影響が出るということは、間違いないと思います。
それから、先程言いましたNMDA受容器というものがあります。これもやはり海馬の中にも特に多くて、やはり記憶など情緒に関係する非常に大事なところになりますが、このあたりのところで結構影響も出てまいります。
また、普通の交流電流からの磁場は変動磁場ですけれども、静磁場でさえ、NMDA受容器サブユニット発現に修飾を加えて、細胞機能に影響をする。
発生期の子供などにも影響するのではないかという問題が出てきます。
免疫系
神経の次に免疫をご覧いただきますが、50Hzで皮膚や甲状腺のマスト細胞が増加します。
マスト細胞からはヒスタミンが出て、アレルギーの時の一番の主役になります。
ですから、これが甲状腺や皮膚に出ると、何が起こるかわからない。まあ、花粉症の方は、あまりパソコンを一生懸命にやらないほうが、花粉症が少しは治まるのではないかと思います。
実際にパソコンの漏洩電磁波で、マスト細胞からのヒスタミン流出が増加する。間違いなしにアレルギーがひどくなるということです。
それから、リンパ球でも核の濃縮が起きる。リンパ球に異常が出ると、これは当然免疫系にも影響してきます。
それから、50Hzという普通の交流磁場でも2mT程度で、ナチュラルキラー細胞という、いわゆる悪いものなどを食い殺す白血球の活性が低下してしまう。
それから、0.2~6.6μTの条件で毎日8時間・5年間勤務すると、免疫で重要な役割をするものの一つであるCD4とか、今言ったナチュラルキラー細胞も減少してしまうということです。
電磁波の強いところで作業をしていると異常が出ますよ、という報告で、こういう悪い報告を探しますと、山のように出て参ります。