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PM2.5による鼻炎悪化メカニズム解明 兵庫医大
神戸新聞NEXT 8月5日(水)20時13分配信
PM2.5による鼻炎悪化メカニズム解明 兵庫医大
善本知広主任教授
兵庫医科大(西宮市)の善本知広主任教授(免疫アレルギー学)らが5日、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれる微粒子(DEP)がアレルギー性鼻炎を悪化させる仕組みを解明したと発表した。
DEPは微小粒子状物質「PM2・5」の代表的な微粒子。
成果は英国アレルギー学会誌電子版に掲載された。
【図】鼻粘膜が破壊される仕組み
善本主任教授によると、アトピー体質のマウスを使った実験で、DEPと花粉を同時に鼻に付けたり、DEPを付けた後に花粉を付けたりすると、くしゃみの回数が増えた。
ヒトの鼻粘膜の上皮細胞株で観察したところ、細胞同士を密着させてバリアーの機能を果たしているタンパク質「タイトジャンクション」をDEPが破壊し、細胞の隙間から花粉を通り抜けやすくしていることを確認。花粉の飛散が少なくても、数日前にDEPにさらされていた場合、鼻炎の症状が悪化しやすいことが分かった。
一方、タイトジャンクションの破壊が、抗酸化剤の点鼻で抑えられることもマウスで確かめ、予防薬開発のスクリーニング(有効な化合物の選別)法を確立。
善本主任教授は「予防薬はDEPが原因で起きるぜんそくやアトピー性皮膚炎などにも効果が期待できる」とした。(藤森恵一郎)