国連の化学物質に関する会合で有害農薬が前例のない投票で世界的に禁止 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
・IPEN BRS 2015年5月16日 プレスリリース
国連の化学物質に関する会合で有害農薬が前例のない投票で世界的に禁止

情報源:IPEN BRS Press Release, Geneva, 16 May 2015
Toxic pesticide globally banned after unprecedented vote at UN meeting on chemicals
http://ipen.org/sites/default/files/documents/
IPEN%20BRS%202015%20COPs%20Press%20Release%20May%2016%20.pdf

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2015年5月19日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/POPs/IPEN/
150516_IPEN_Press_BRS_Toxic_pesticide_banned_after_vote.html

 【ジュネーブ、スイス 2015年5月16日】 90か国以上からの代表者らは、世界中の野生生物中及び人間のバイオモニタリング調査で見い出された、すでに証明されている有害農薬であり汚染物質であるペンタクロロフェノール(PCP)の世界的な禁止のために、前例のない投票という方法を採用した。
この歴史的な投票は、通常は合意により決定されるバーゼル、ロッテルダム、及びストックホルム条約の合同会合で、インドによる再三の妨害行動の後、行われた。

 その会合の間、驚くべきことにインドは、彼らも参加したストックホルム条約の科学専門家委員会の調査結果を否定した。
スイスが、この条約史上初めての投票手続きを提案した。94か国がペンタクロロフェノール(PCP)の世界的禁止に賛成し、2か国が反対、8か国が棄権した。

 ”私たちは、北極の先住民と彼らが依存している伝統的な食物が、有害なペンタクロロフェノール(PCP)から守られることを確実にするのに役立つであろうこの重要な決定を下した世界のコミュニティを称賛する”と、有害物質に取り組むアラスカ・コミュニティのパメラ・ミラーは述べた。
ストックホルム条約の代表者らはまた、世界の環境と人の健康を害する他の二つの産業化学物質、塩素化ナフタレンとヘキサクロロブタジエンの国際的な禁止を支持した。

 ロッテルダム条約の代表者らは、輸出業者は通知して輸入国から許可を得ることだけが求められるという事実にもかかわらず、二つの致死的な有害物質、クリソタイル・アスべストとパラコート剤をリストに掲載することに失敗した。
ベラルーシ、キューバ、カザフスタン、パキスタン、及びロシアは全てクリソタイル・アスベストをリストすることに反対した。グアテマラ、インド、インドネシア、及びパラグアイは、パラコート剤のリスト掲載を阻止した。

 ”同条約の専門家委員会によれば、全ての候補物質は同条約の基準に合致する”と、IPEN の上席政策顧問マリアン・ロイドスミスは述べた。
”これは、一握りの反対国と彼らの強力な産業代表者らが、どの様な物質が国境を越えて入ってくるのかを知る政府の権利をないがしろにする政治的決定によって、この条約を損なったということである。彼らは単に、彼ら自身の経済的及び貿易の利益を世界の環境とそに生息する動物の健康と快適な暮らしより優先したということである”。

 バーゼル条約は、壊れた機器は全て”修理”可能であると主張するあくどい貿易業者に門戸を開くことになるであろう修理のために輸送される機器を同条約の有害廃棄物貿易管理手続きから免除することになり得る電気・電子廃棄物(e-waste)ガイドラインを検討した。
同条約の議長は、夜遅い時間になったために通訳がいない会合の後に、この免除を採択するための決議を行うよう強く働きかけた。
ラテンアメリカ諸国はこの手続きと会議の進め方に抵抗した。

 ”電気・電子廃棄物と戦う発展途上国は、バーゼル条約の良い電気・電子廃棄物ガイドラインからこそ利益を得るであろう”と農薬行動ネットワーク、エチオピアのタデッセ・アメラは述べた。”しかし、彼らは修理という言い訳の下に投棄を許す抜け穴を望まない”。

 EU は、建物の断熱、ソファーなどの家具、そして電子機器に広く使用されている HBCD、ペンタ BDE 及びオクタ BDE の 3 種の有害難燃化学物質について、1,000 ppm という危険な廃棄物浄化基準を強く主張した。
対照的に、条約にすでにリストされているPCB 類やその他の物質の廃棄物浄化基準は 50 ppm であり、EU の提案より20倍低い。
今回初めて、代表者らは、 HBCD に二つのオプション(100 ppm 又は 1,000 ppm)、並びに、ペンタ BDE 及びオクタ BDE に二つのオプション(50 ppm 又は 1,000 ppm)を設定した。
EU はストックホルム条約を損ねる弱い基準を主張したが、中国とイランは POPs によって脅かされる重大な脅威に大きくは矛盾しない保護的な基準(50 ppm と 100 ppm)を主張した。

 IPEN は、有害物質を廃絶するために活動する 100か国以上、700以上の公益組織の世界的なネットワークである。 http://www.ipen.org/
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