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・熊本日日新聞
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子どもに痛み、疲労感続く線維筋痛症が増加

シンポジウムで基調講演する国際医療福祉大熱海病院の横田俊平院長
 全身の強い痛みや疲労感などが続く「線維筋痛症」。

患者は全国で約200万人と推計され、子どもの線維筋痛症(若年性線維筋痛症)が増加傾向にあるという。

2日、熊本市東区の県総合保健センターで開かれたシンポジウムでは、国際医療福祉大熱海病院長の横田俊平医師(小児科医)が基調講演。

症状や治療法などを紹介した。

 患者や家族でつくるNPO法人「線維筋痛症友の会九州支部」が初めて開催。県内外から患者や家族ら約80人が参加した。

 3月まで横浜市立大小児科教授だった横田医師は「若年性の受診患者は年々増えており、体の痛みで車いすを使ったり、不登校になったりしている」と述べ、臨床心理士やリハビリ職、教師らを含めた総合的な対策の必要性を訴えた。

 成人の線維筋痛症を含め、血液検査や画像検査では異常がなく、後頭部や膝など特定の18カ所(圧痛点)を押したときに、11カ所以上で痛みを自覚した場合に診断される。

症状は全身の痛みのほか、慢性疲労や視力低下、手足のしびれ、過剰な発汗など、さまざまという。

 発病の原因は、はっきりと分からないが、若年性では性格的には明るく社交的でクラスの人気者など「大人から見ていい子が多い」と横田医師。

9~13歳に発症が多く、「自分の気持ちを抑えて周りに過剰に適応し、自己評価は低い傾向にある。さらに家庭や学校でのストレスが繰り返されることで、脳内に病変が起きていると考えられる」と述べた。

 全国各地から若年性患者が受診する横浜市立大病院では、2~3週間の入院期間にリハビリを中心とした治療に取り組んでおり、「家庭や学校でのストレスを減らしたり、生活リズムを整えたりすることで症状の改善効果があった」と報告した。

 また、子宮頸[けい]がんワクチンの接種後に女子中高生らが慢性的な痛みや失神などの症状を訴える事例が相次いでいる問題に触れ、「全身痛や生理不順、自律神経の障害などの症状は線維筋痛症にもある。

どちらも脳内の神経炎症によるものと考えられる」と指摘。

「ワクチン接種後の症状はワクチンが原因。その治療を開発できれば、線維筋痛症にも使える可能性がある」と述べた。

 シンポでは成人患者らからの意見も寄せられ、「線維筋痛症の診療を断る病院が多い」「都市部でも診てくれる医師が少ない」などと医療体制の改善を望む声が相次いだ。(田中祥三)

(熊本日日新聞 2014年11月8日朝刊掲載)