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千鳥整体漫録
京都の女手ひとり整体院。太腕院長日誌。
携帯電話で脳腫瘍になる?-電磁波で脳に悪影響“クッキング・ブレイン”のお話
2015/1/16 勝手な健康法
最近言われ始めている「携帯電話・スマホの電磁波」の危険性。
でも、インターネット上できちんとまとめられた記事が少ない状況です。
今回は2冊の参考文献を底本とし、電磁波やスマホの危険性についてまとめてみました。
まず、「電磁波とはなんぞや」から。
電磁波とは「電場と磁場の変化により空間を伝わる波」の総称です。
電磁場
(参考:二間瀬敏史、麻生修(1999)『図解雑学 電磁波』ナツメ社 )
上図のように、電流がながれると磁場・電場が次々と生まれ、状況に応じて変化します。
空気がなくても伝わります(だからスペースシャトルなど宇宙空間での通信が可能)。
ちなみに音(音波)は電磁波ではありません。
これも「波」なのですがある振動が空気中を伝わる現象を指します(なので空気がない宇宙では音は伝わらないし聞こえません)。
▼電磁波の種類は下記のようになります。
電磁波
(出典:総務省「電波と安心な暮らし」http://www.soumu.go.jp/main_content/000251234.pdf
)
送電線やTV・ラジオなどに使われる電波から、太陽光、コタツの赤外線、紫外線、原子爆弾の放射線まで、全てが「電磁波」なのです。
その中で最近問題になっているのが携帯電話やスマホのマイクロ波。携帯のマイクロ波は電子レンジよりは威力が弱いのですが、周波数・波長的には同じグループに分類されます。
高周波
(参考:電磁界情報センター「電磁界の性質」http://www.jeic-emf.jp/ih-oven.html
ほか)
図の右側ほど波長が短く「エネルギーが高い」とされる電磁波になります(注:エネルギーの大小は、厳密には「波の高さ(振幅)」も関係し、周波数と波長だけでは決められません)。
なんで携帯電話が問題なの?
ではなぜ携帯電話の電磁波が危険なのかというと「マイクロ波という高周波の器具で、かつ身につけて使うもの」だからです。
これまでの生活家電はほとんど「低周波」や「中間周波」のものばかりでした。
高周波(マイクロ波)の電子レンジがありますが、これは身につけて使うものではありません。
翻って携帯電話はマイクロ波であり、身につけて使うことが多い器具です。
電子レンジよりは威力が微弱のため、携帯で通話をしていても、すぐに耳や頭が熱くなったり破裂したりはしません。
しかし、長時間・長期使用した場合に健康に悪影響が出る可能性が明らかになってきたため、世界中で注目されるようになったのです。
特に、携帯電話の使用で「脳腫瘍」のリスクが高まると言われているのです。
米・脳外科医のキース・ブラック氏(シーダース・サイナイ病院脳神経外科部長)はこう言いました。
「電子レンジに使われているのと同じマイクロ波を発する携帯電話を頭に押し当てるのは、基本的に『脳を料理する(クッキング・ザ・ブレイン)』のと同じことなのです」(*1)
研究の動き
現在、世界中で携帯電話の健康被害に関する研究が行われています。
北欧やイスラエルを始めとしたヨーロッパ周辺諸国では特に研究が盛んなようです。
・十年以上の携帯電話使用者は、携帯電話耳に押し当てた側の聴神経腫(脳腫瘍)リスクが3.9倍増加(*2)
・携帯電話を頻繁かつ長時間使う人は脳腫瘍リスクが1.5倍増加(*3)
WHOでは世界13カ国で実施した「インターフォン研究」で、2010年に「携帯電話と聴神経腫(脳腫瘍)に関連性がない」と報告しています。(*4)
ですが一部の科学者からは「調査方法に問題が有り、脳腫瘍リスクが低くでるような方法だった」という指摘があります。
また、実験データを報告時に全て公開せず、一部の内容をある学術誌上で別に発表を行っているため「意図的にリスクを低く見せるようにしているのではないか?」という疑問が残ります。(*4)
その他、男性の精子にも悪影響が示唆されています。
精液に携帯電話の電磁波を1時間浴びせただけで、精子の運動率が7%、生存率が11%低下したという研究もあります。(*5)