・公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
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・「クチナシ赤色素」の化学構造および色素形成メカニズムの解明
国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部 伊藤裕才
既存添加物「クチナシ赤色素」は、クチナシ果実中のイリドイド配糖体geniposideのメチルエステルをアルカリ加水分解したgeniposidic acidを-グルコシダーゼ処理でアグリコンgenipinic acidとした後、タンパク質加水分解物と反応させて形成する赤色素である。
色素は水溶性の高分子化合物あるため、化学構造および色素形成メカニズムは未解明である。
アグリコンgenipinic acidは試薬genipinの加水分解では調整できなかったため、クチナシ果実よりgeniposideを抽出して調製した。
イリドイド類とグリシンを反応させた結果、予想に反して赤色素ではなく青色素が生成した。
条件検討の結果、反応液中のイリドイド濃度を15% (w/v) 程度に高め、かつクエン酸やキシロースを添加し、さらに窒素ガスの曝気による嫌気条件が赤色素の形成に必要であることが再確認された。
イリドイド濃度を高めると反応初期に炭酸ガスの発生が観測された。
これらの知見と結果は、反応液を還元状態に保つことが赤色素形成に必須であることを強く示唆した。
反応液にクエン酸の替わりにアスコルビン酸を添加した結果、クエン酸の添加や窒素ガスの曝気をせずとも赤色素の生成が確認された。
runより:アスコルビン酸の方がいいですね、成分表にクチナシ赤色素とあった場合確認しておきたいです。
ちなみにアスコルビン酸はビタミンCと思っていいです、一応クエン酸でも悪くは無いと思います。