佐藤記者の「新・精神医療ルネサンス」 | 化学物質過敏症 runのブログ

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秘匿体質を変えよう …佐藤記者の「新・精神医療ルネサンス」
読売新聞(ヨミドクター) 3月31日(火)12時23分配信


 精神科には、情報を「隠す」ことをよしとする考えが根付いている。

現代医療は、治療を受ける患者への丁寧な情報提供と同意を大前提とし、もし怠れば、肝臓手術問題の群馬大学のように猛烈な批判を浴びかねない。それなのに、精神科に染みついた秘匿体質はなかなか変わらない。

 薬の副作用など、治療のリスクも丁寧に説明する精神科医は増えてきているようだが、真逆の医師もまだしぶとく存在する。

長く通院していても、正確な病名すら告げられていないケースが今もある。

国の研究班報告や法規制、薬の安全性速報、学会報告などに基づく新聞記事を読み、薬のリスクを初めて知った患者が主治医に相談すると、「そんなものは読むな」と怒られる例が絶えない。

そのような主治医は決まって、あらゆる報道を一緒くたにして「患者を不安にさせる記事が悪い」とオチをつける。

「こんな記事を書く記者は反精神医学のカルトだ」とふれ回る精神科医もいるので、開いた口がふさがらない。

 患者になぜ正しい情報を伝えないのか。

「病名を伝えたら悩んで悪化する」「薬の副作用を知ったら怖がって飲まなくなる」などと語る医師もいるが、それこそが患者軽視の不当な決めつけ、レッテル貼りというものだろう。

説明が難しい患者に対しても、伝え方を工夫していただきたい。

 2月の記事で紹介した患者調査からも分かるように、患者は何よりも、医師の説明不足に不安や不信感を募らせている。

副作用のリスクも、治療期間や回復の目安も、何も告げられないまま投薬だけが続けば、不安障害の患者でなくても不安になる。

根拠のある処方をしている主治医ならば、患者からのアプローチは信頼関係を深める絶好の機会になるはずだ。

薬に関する患者の疑問に、怒号や無関心で応えるのではなく、副作用よりも効果が上回っていることをきちんと説明していただきたい。

  精神科は治療成績の公開でも、他の診療科と比べて著しく遅れている。「出足が遅れた」というレベルではなく、スタートラインにすら立てていない。

私はこれまで、精神科がある全国の病院を対象に、投薬の状況や治療体制などを聞くアンケート調査を3度行った。

統合失調症の入院患者に、抗精神病薬を1種類だけ使って治療する割合「単剤化率」や、提供できる心理療法の種類などを病院名と共に一覧にし、大きな反響を得た。

だが、アンケートの回答率は満足できるものではなかった。

総合病院や公立の精神科病院からは多くの回答があったものの、民間の精神科病院からほとんど返信がなかったのだ。強制力のないアンケートには、このような限界がある。