・週刊プレイボーイ2015年2月2日号(1月19日発売)
「かなり間違いだらけなインフルエンザ予防法」(村中璃子:医師・ライター)より
1, うがいは水で十分
うがいで重要なことは、ウイルスを殺すことではなく、洗い流すこと。
京大による試験では、うがい薬(ヨード液)とただの水では、効果が水で40%、うがい薬で12%と、水の方が効果があった。
罹ってからうがい薬を使うと炎症を起こした粘膜を刺激して、却って症状を悪化させる。病院ではヨード液による喉の消毒治療はやらなくなった。
2.手洗い
ウイルスの最大の感染ルートは空気中に浮遊するウイルスを吸い込むことと考えられているが、咳やくしゃみの飛沫が空気中を浮遊している時間はひじょうに短く、手を通じての感染の頻度の方が高い。
それゆえ感染予防には手洗いが一番効果がある。
これは洗い流すことそのものの効化であって、消毒は意味がない。
15秒ほど、爪の先、指の間などまでていねいに洗う。薬用ソープ成分のトリクロサンはウイスルには効果がない。
固形石けんの表面ではウイルスが長期間生き続けて、逆に感染源にもなる。固形よりハンドソープの方がよい。
3.マスク
一定の予防効果がある。使い捨てにすることと、つける方向(上下)を間違えないこと。
4.プッシュ式消毒液
ジェル状やスフレー式のプッシュ消毒液の主成分はアルコール。
アルコールはインフルエンザウイルスを殺す効果があるので、手の洗えない環境では有効。
ただノロウイルスは殺せない。
感染症予防全般では、手洗いとプッシュ式消毒液を比べれば、手洗いの方が有効。
5.芳香剤型ウイルス除去剤
置くだけで細菌やウイルスを除去するというウイルス除去剤は、メーカーのデータは試験室のもので、実用環境における効果は証明されていない。
消費者庁から表示に関する注意を受けている。
そもそも、インフルエンザウイルスの空気中での浮遊時間は短く、除去剤が十分に働く前に床や机などに落ちるので、空間のウイルス除去剤は必要がない。
またこうしたウイルス除去剤は、モノの表面に付着したウイルスや細菌を除去する効果はない。
(ブログ主注:二酸化塩素使用を謳ったものが多い)
6.スマホやパソコンの掃除
スマホやパソコンのキーボードはよく手と接触にするのにほとんど掃除をしない場所なので、便座よりも菌が多いという研究もある。
気になる人はアルコールの除菌ティッシュでこまめに掃除を。
風邪の9割はウイルスが原因。
インフルエンザも風邪の一種だが、感染力が強く、重症化しやすいので特別扱いされている。
最強の予防手段は、「手洗い」と「ウイルスを避ける」(できる限り外出や人ごみを避けたり)こと。
runより:インフルエンザには罹った事が1度もないのが不思議です。