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毒の霧・・・「元を絶つ」より「吹き飛ばす」方式が先行の気配=北京
2014-07-02 13:53
中国の国家中央および北京市の気象部門は、同市で続いている微粒子PM2.5などによる深刻な大気汚染を緩和するため、ビルの配置などを調整して「風通り」をよくする計画を進めている。
研究結果は年末に発表されるという。
大気汚染の緩和のために、工場排気などの規制も行われているが、「元を絶つ」より「吹き飛ばす」方式が先行していきそうだ。
北京以外でも、全国的に同様の動きがある。中国新聞社などが報じた。
北京市環境保護科学研究院の潘濤院長によると、北京市は2030年における空気1立方メートル内のPM2.5の量を、現行の国家基準である35マイクログラムに抑えることを目標にしている。
2013年におけるPM2.5の量は89.5マイクログラムであり、17年には60マイクログラムに落とす計画だ。
しかし潘院長は2017年の目標達成は「個人的には極めて難しいと思う」と表明。
最大の理由は、現行の北京市の発展計画をみるかぎり、それまでに汚染物質の排出量を減らす余地が、あまりないからという。
一方で、北京市環境保護科学研究院生態と都市環境研究所の劉春蘭所長は1日に同市内で開かれた都市環境国際学術フォーラムで、「中国の国家中央および北京市の気象部門が、北京市に『風の道』を設ける研究をしている」と述べた。
劉所長によると、都市計画において建築物の配置と高さ制限を設けることで風の通り道を作り、都市において放出される汚染物質や熱の拡散を促進することができるという。郊外からは比較的きれいな空気が吹き込まれることにより「毒の霧」などの汚染物質は吹き飛ばされることになる。
北京以外でも、同様の動きが相次いでいる。
浙江省杭州市では2013年11月に、「風の道」を設ける作業がはじまった。杭州市気象局の関係者によると、現在は「大気の流れのモデル構築」を進めているという。
一方、夏の猛暑が有名で「中国四大かまど」(解説参照)などとも呼ばれる湖北省武漢市では2013年夏までに、郊外から市中心部に通じるグリーンベルト6本の建設に着手した。
植物を植えるグリーンベルトによって形成された「風の道」の幅は最低でも2、3キロメートル、最大で十数キロメートルになる見込みという。
グリーンベルト設置の大きな目的は猛暑の緩和で、武漢市では夏の最高気温を平均で摂氏1-2度下げることを目標にしている。
その他、上海市、南京市(江蘇省)、株洲市(湖南省)、貴陽市(貴州省)、紹興市(浙江省)、福州市(福建省)なども、「風の道」計画を進めているとされる。
中国では大気汚染の軽減において、排出物質の抑制による「元を絶つ」ことよりも、「風で吹き飛ばす」方式が先行しそうな情勢だ。
ただし、中国国内で大気中に放出される汚染物質は台湾、韓国、日本、香港、マカオ、東南アジアの一部などにも到達している。
中国が有効に汚染物質の抑制をしない場合、周辺諸国/諸地域からの批判が高まり、人々の反中感情が高まる可能性もある。
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◆解説◆
「四大火爐(スーダー フオルー=四大かまど)」。
1910年ごろに発生した「夏の猛暑に見舞われる4都市」の言い方。
南昌市(江西省)、重慶市、武漢市、南京市とされた。
「中国四大かまど」などとも言われる。
2010年には「新火爐」として重慶、福州、杭州、南昌が挙げられるようになった。
気象データにもとづき、重慶や南京よりも福州や杭州の方が「さらにかまど」との声が出たためとされる。
なお、新疆ウイグル自治区各地などでは、夏の最高気温が上記都市よりはるかに高くなる場合があるが、「中国四大かまど」には含められない。(編集担当:如月隼人)
runより:こらアカンわ・・・解決になりゃしない。