-2:自閉症のリスクは農薬を散布した畑の近くが高いと研究が報告 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

 ”自閉症を発症しているどの子どもも、遺伝的及び環境的要素の組み合わせが作用している。この系への傷害の蓄積がある。我々が見ていることは、農薬は、ある子どもたちを混乱させるかもしれないもうひとつの要素かもしれないということである”と、彼女は述べた。

 この研究のために研究者らは、女性の住所を入手し、特定の商用農薬が、どこで、いつ、どのように、使用されたかについての詳細を提供する州のデータベースと比較した。

約3分の1の女性が農薬散布の畑から1マイル(約1.6km)以内に住んでいた。

 しかし、研究者らは女性たちがその農薬に暴露したかどうかはわからない。

 2012年、米環境保護庁は、クロルピリホスへの暴露削減に役立たせるために、住居と学校の近くの畑の周囲に緩衝地帯を設けることを求めた。

 ”もし農薬が適切に散布され、連邦政府により義務付けられているラベルの指示に従っていれば、妊婦を含んで人々は農薬への暴露について懸念する必要はない”と、農薬製造業者らの団体である CropLife America の人間の健康政策上席重役クレア・ソープは述べた。

 カリフォルニア州農薬規制局のデータベースによれば、2012年には 110万トン以上のクロルピリホスが、カリフォルニアの 22,000 の農場に散布されたが、これは2005年に40,000 の農場に散布された200万トンより減少している。

 母親の大部分は、妊娠期間中にわたり、いくつかの異なる農薬が散布された畑の近くに住んでいたので、個別の化学物質毎に潜在的なリスクに分けることは難しいと、主著者であるジャニー・シェルトンは述べた。シェルトンは現在、国連の顧問科学者である。

 同研究はまた、母親がメソミル(訳注:米国デュポン社の商品)及びセヴィン(訳注:農薬や動物用医薬品として用いられるカルバリルの商品名)を含むカルバメート系の殺虫剤が散布された畑の近くに住んでいた子どもたちの中の、自閉症ではなく発達遅延のリスク増大を報告した。

 研究者らは、農薬は社会的相互反応、学習及び行動にある程度影響与える脳の発達と新語伝達を損なうことがあり得ると述べた。

 以前の研究もまた、カリフォルニアにおける農薬使用を自閉症スペクトラム障害と関連付けていた。

2007年に、ハーレイと同僚らは、母親の尿中の有機リン系農薬のレベルが高かったカリフォルニアのサリナスの子どもたち531人の中で広汎性発達障害(自閉症を包含するより大きいグループ)が2倍増大していることを見つけた。

2007年からのもうひとつの研究は、現在は禁止されている2つの農薬エンドサルファンとジコホル-が最も高いレベルで散布された畑の近くに住んでいた母親は、自閉症スペクトラム障害を持つ子どもを6倍多く持っているようであった。

 近年、米国では自閉症の割合が上昇している。2012年から2014年の間だけでも、割合は30%上昇した。

この増加は主に、自閉症の診断基準の変更に起因するとされてきた。

 ”我々が知的障害と呼んでいたものや、社会性の欠如をもったもっと多くの症状が現在、自閉症スペクトラムとして認識されている”と、ワシントン DC にあるジョージタウン大学イガクセンターの小児心理学者キャシー・カッツは述べた。

 しかし、専門家のある者は、環境的暴露もまた、自閉症率の上昇に寄与しているかもしれないと示唆している。カリフォルニアだけでも、自閉症診断は1990年から2001年の間に600%(6倍)上昇した。

そして、研究者らはこの上昇の約3分の1だけが診断基準の変更又はもっと年少時に自閉症であると診断される子どもがいることによって説明することができることを見出した。

 今年の初めに、スウェーデンで生まれた200万人以上を検証した研究者らは、遺伝子が子どもの自閉症リスクの約50%を占め、残りが環境的要因であることを報告した。

 発症の増大を環境的要因に結び付けることに興味がそそられるが、何が起きているのか確実に知ることは難しい。

ある環境リスクは過去数十年間で増大しているが、一方他の環境リスクは減少しているからであると、ハラデイは述べた

 ”農薬の使用は上昇しており、自閉症も上昇している。

しかし、大気汚染もまた改善されており、我々は大気汚染が自閉症スペクトラム障害リスクにある役割を果たしていることを知っている”と、彼女は述べた

 いくつかの研究が、遺伝子により自閉症になりやすくなる人々に対して、環境的暴露がどのように異なって作用するのかを調べ始めている。

今年の初めに研究者らは、自閉症に関連するある遺伝子変異体を持ち、かつ大気汚染への暴露が高い人々は、同じ遺伝子変異体を持つが、大気汚染への暴露は低い人々より自閉症のリスクが増大していたことを示した。

 この次には、シェルトンは、ある遺伝子変異体をもつ母親の中から農薬曝露による自閉症リスクを探すことを希望している。

 ”我々は、ある母親たちが他の母親たちよりリスクが高いかどうか、そしてそのリスクとは何かを知る必要がある。

だれが最も脆弱なのかを知ることが、彼らをよりよく保護することを理解するために重要である”と、彼女は述べた。