子宮頸がんワクチンの副反応、新病態の可能性も -2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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 「重篤例は、ワクチン接種によって脳の中枢神経や免疫システムに異常が起きた可能性が高い。我々が診ている44例でも、多くの症例で脳内の血流低下がSPECT画像検査で確認されている。接種後30日以内に症状が出た急性型は44例中12例だったが、接種から症状発現までの期間は平均8.5カ月で、1年以上たって出る遅延型の症状の方がむしろ深刻」と西岡所長。

 重篤な副反応が報告されたことから現在、厚労省は接種の積極勧奨を控えている。

「ワクチンの対象年齢の中学生などは、原因と対策がはっきりするまで接種すべきでない。すでに接種した人は1~2年以上後に症状が出ることもあり得る。後の囲みにある、HANSの診断予備基準案のような症状で困っている人は難病治療研究振興財団に問い合わせを」と西岡所長は話す。


HPVワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS)の診断予備基準案(2014)
(1)子宮頸がんワクチンを接種(接種前は身体的・精神的な異常なし)
(2)以下の症状が複数ある
 1.身体の広範な痛み
 2.関節痛または関節炎
 3.激しい疲労が6週間以上続く
 4.心身・精神症状(記憶障害、突然の眠気、呼吸苦、脱力、環境過敏)がある
 5.脳画像の異常
(3)以下の症状を伴う場合がある
 1.月経異常、2.自律神経異常(めまい、頻脈、動悸、冷や汗など)、3.髄液異常
→(1)+(2)3項目以上、(1)+(2)2項目+(3)1項目以上でHANSと診断


現在「HANS」と思われる患者に行われている治療
1:診断予備基準案を基に「ワクチンによるHANS」の可能性を説明、不安を少しでも軽減させる
2:線維筋痛症治療薬(神経障害性疼痛の治療薬)を投与
3:ステロイドホルモン投与
 新しい病態であり治療は模索段階だが、神経内科などで、全身に痛みが出る線維筋痛症の治療薬「プレガバリン」やステロイドホルモンの投与を受け、症状が改善する人もいる。


Q.ワクチン接種後すぐには何もなくても、症状が出る可能性はある?

 ワクチンが中枢神経に達して症状が出るまでには時間がかかるので、1年以上たってから初めて遅延型の症状が出る人もいる。不明な点が多く2~3年以上たってから出る恐れも。


Q.すでに接種して気になる症状があるときはどこに相談すればいい?

 難病治療研究振興財団が相談窓口(http://jmrf-nanbyou.org/jigyou_03.html#01 )を開設中。所定の用紙に症状などを記入し、ファクス、メール、郵送で送付。受診先などの紹介も。


Q.今、ワクチン接種年齢の中学生は、どうすればいい?

 現在も任意で接種を受けられるが、「原因・対策が分かるまでは、接種を控えるべき」(西岡所長)。その他の世代も同様。


Q.子宮頸がん対策で今、安心してできることは?

 20歳以上の女性は、2年に1回は子宮頸がん検診を受診しよう。HPVワクチンを接種したとしても100%子宮頸がんが予防できるわけではなく、がん検診の受診は必須だ。


この人に聞きました


西岡久寿樹さん
 東京医科大学医学総合研究所所長。

東京女子医科大学教授、聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター長などを経て2010年より現職。専門は全身疼痛、免疫疾患など。日本線維筋痛症学会理事長。


(医療ライター 福島安紀)