http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n9822
吸入ステロイド薬を吸入しているのに効果がない理由
ライター:aichanzw0725さん(最終更新日時:2011/12/21)投稿日:2011/12/17
《考えられる理由》
1.吸入ステロイド薬の吸入を続けた日数が少ない。
2.吸入量(1日の吸入回数)が足りない。
3.間違った方法で吸入している。
4.使用している吸入ステロイド薬が自分に合っていない。
5.吸入ステロイド薬が非常に効きにくい状態になっている。
6.喘息ではない。
〈1について〉
吸入ステロイド薬を吸入しても症状が出る場合、吸入した回数(日数)が足りないことがまず考えられます。吸入ステロイド薬は早くても数日後、長いと2週間くらい経たないと効いてきません。
〈2について〉
吸入ステロイド薬は十分な量を吸入しないと十分な効果が出ません。早期に多めの吸入をすることが喘息治療で大きな効果を出すひとつの大きなコツだと私は思っています(体験上)。
〈3について〉
間違った方法で吸入すると、まるで効果がないことも吸入ステロイド薬の場合はあります。吸入ステロイド薬には様々な種類があり、それぞれで吸入方法が違います。その吸入方法で吸入しないと十分な効果は得られません。
〈4について〉
吸入ステロイド薬には様々な種類があるのですが、それぞれで人によって効き方が違うようなのです。
吸入ステロイド薬の種類を替えたらてきめんに効いたというケースが結構あります。
吸入ステロイド薬には、フルタイド、アズマネックス、パルミコート、キュバール、オルベスコ等があります。
このうちフルタイドにはエアゾル式のものとパウダー式のものとがあります。アズマネックスとパルミコートはパウダー式、キュバールとオルベスコはエアゾル式です。
パウダー式のものはスッと強く吸い込めばいいのですが、エアゾル式ですとスペーサーという吸入補助具を使ってゆっくりゆっくり吸い込む必要があります。そうしないとエアゾル式のものは気管支の奥まで薬が行き渡りません(エアゾル式のものでもスペーサーなしで吸入できるものがありますが、吸入効率を考えるとスペーサーを使ったほうが効果的だと思います)。
また、エアゾル式のものは吸入してすぐ息止め(10秒間くらい)をする必要があります(パウダー式のものでも少し息止めをしたほうがよい)。
今は吸入ステロイド薬と長時間効果が持続する気管支拡張薬の合剤(シムビコートやアドエア)も出ていますので、そういうのを試すのもいいと思います。
アドエアにはパウダー式とエアゾル式のものがありますがシムビコートはパウダー式です。
吸入ステロイド薬は、理屈では抗炎症作用がより高いもの、粒子径が小さくて気管支の奥まで到達しやすいもの、少ない力でもうまく吸入できる構造のもののほうがよく効くはずです。
しかし、現実は必ずしもそうはなりません。
現在出ている吸入ステロイド薬の中で抗炎症作用が高いと言われているのはフルタイドとアズマネックスですが、フルタイドの粒子径はとても大きく、アズマネックスはとても小さい上、フルタイドよりもアズマネックスのほうが吸入しやすいので、効果が最も高いのはアズマネックスだろうと推測できます。
ところが、現実にはフルタイドのほうがよく効くという人がいますし、アズマネックスやフルタイドよりもパルミコート、またはキュバールやオルベスコのほうがよく効くという人もいます。
その理由はわかりません。
吸入ステロイド薬と人との間には相性のようなものがあるのだと思います。
ですから、吸入ステロイド薬を毎日欠かさず長い期間にわたって十分な量を正しい方法で吸入しても効果が出ない人には、別の吸入ステロイド薬を試してみることをお勧めします。
〈5について〉
喘息が重症化して、いわゆる難治性になった喘息患者の気道粘膜は線繊化して硬くなっていることがあります。
このような状態になると吸入ステロイド薬を十分に吸入してもなかなか効果が現れなくなります。
また、喘息の症状がひどい状態、言い換えると気道が狭くなっているときに吸入してもうまく吸入できなくなります。
重症化して気道粘膜が線繊化して硬くなってしまった場合は吸入ステロイド薬だけでは治療は困難になります。
ただし、まだ線繊化していないのであれば、吸入ステロイド薬を吸入する数分前にスプレー式気管支拡張薬(メプチンエアーやサルタノールインヘラー等)を1吸入して気道を広げ、その後に吸入ステロイド薬を吸入すれば吸入効率が高まり(気管支の奥までの到達率が上がり)、効果が得られるようになることがあります。
それほど重症でない場合でもその方法で吸入ステロイド薬を吸入すれば効果が高まります。
〈6について〉
喘息に似た症状(息苦しさや喘鳴や呼吸困難等)を起こす疾患がいくつかあります。
・慢性気管支炎
急性気管支炎が慢性化した病気とは全く別の病気で、ヘビースモーカーに多い疾患です。
痰を伴う咳が2年以上にわたって出ているのならこの疾患である恐れがあります。
症状には喘息と似たものもあります。
・喘息様気管支炎
ウイルスや細菌感染などが原因で発症すると考えられている疾患です。
乳幼児に多く見られ、風邪を引くと喘鳴が出ます。
・肺気腫
呼吸細気管支と肺胞が拡張して破壊される疾患です。
息切れや息苦しさ、そして呼吸困難になることがあります。
・心臓喘息
心臓の働きが低下し、全身の血液の流れが滞る疾患です。
肺がうっ血しして酸素交換が悪くなることで呼吸困難になることもある怖い疾患です。
この心臓喘息に対して普通の喘息は気管支喘息といいます。
・声帯機能不全
自分の意志とは関係なく声帯が閉まり呼吸困難を起こす疾患です。
原因は迷走神経の変調、何らかの心因性緊張等とも考えられているようですが不明です。
・化学物質過敏症
化学物質がアレルゲンとなって喘息に似た症状を引き起こします。
・逆流性食道炎
消化される途中の食物や胃液が食道に逆流して食道が炎症を起こして生じる疾患です。
胸やけや胸の痛みなど様々な症状が出るようになり、喘息に似た症状も出ることがあります。
喘息と似た症状の疾患はこれらのほかにもあります。
吸入ステロイド薬を吸入し続けているのに効果がない場合は、上のような他の疾患であることも考えられます。
詳しい情報を知りたい方は『宮川医院』( http://www6.ocn.ne.jp/~miyagawa/ )の「吸入ステロイド薬の使い方」などをご覧になるとよくわかります。
〈付記/重要〉
私の『Yahoo! 知恵ノート』では「質問」や「アドバイス」は基本的には受け付けません(誰が読んでも正しい適切な「アドバイス」なら歓迎します。ここに文章化した私の考えが必ずしも十分ではなく、間違いもあるかもしれないと思うからです)。
「質問」や「アドバイス」を受け付けない理由については『AICHANのウツ日記』( http://blogs.yahoo.co.jp/aichanzw0725
)の「コメント対策を取ることにした…《2011年12月21日》」( http://blogs.yahoo.co.jp/aichanzw0725/21869395.html
)と「『Yahoo! 知恵ノート』の利用について…《2011年12月20日-2》」( http://blogs.yahoo.co.jp/aichanzw0725/21865191.html
)をご覧下さい。
runより:化学物質過敏症が挙げられてますね。
実際治療法が異なる事があるので効果が無い場合は注射がいいと思います、原因は色々あるみたいなので今回は見送りです。