”市場にある多くの製品が安全データがないかほとんどない化学物質を含んでいるということは残念な現実である。もしバイオモニタリングが人々はほとんど評価がなされていない化学物質に暴露しているということを示すなら、緊急にそれらの潜在的な毒性を理解する必要があることは明らかである”と環境団体から基金を受けている研究組織であある科学と環境健康ネットワーク(SEHN)のテッド・シェトラーは述べている。
しかし、バイオモニタリングは貴重ではあるが限界もあるとシェトラーは指摘する。
それらの主要なひとつは、車の排気ガス中に存在する有毒汚染物質であるベンゼンのような短い半減期の化学物質を測定する場合の信頼性である。
CDCのテスト用に選定された化学物質は、疑われる健康影響の深刻さと米国民が広く暴露していることなど2~3の要素からなるとオスタローは述べた。
全米研究協議会の報告書は、”ある化学物質をバイオモニタリング研究に含めるるのか含めないのかの選択のための調整され一貫した公衆の健康に基づいた戦略がない”と述べてそのアプローチを批判した。
しかし、ブルケは改善されたと見ている。
彼は、CDCには、化学物質の”広範な間口と包含があると述べた。
しかしまだ、”今日の公衆健康の懸念に関して十分なデータがないという懸念は常にある”。
溝を埋め政治的行動に拍車をかけるのに役立てるために、エンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)やその他の環境団体は自分達自身でバイオモニタリングを実施している。
EWGは、CDCが求めようとしているもの2倍以上である400以上の化合物を人体から検出している。
2005年に同グループは10人の赤ちゃんについての自身のテストで300近くの化学物質を検出した後、CDCに臍帯血のテストを開始するよう求めた。
欧州議会の議員やビル・モイヤーズやアンダーソン・クーパーなどのジャーナリストを含む何人かの有名人がこのテストを受けた。
科学者らは、もっと多くのデータが収集されれば、人への健康影響をもっとよく理解することができると希望を述べた。
化学産業界は人体内に化学物質の痕跡を見つけることは健康リスクがあることを意味しないと強調した。
ブルケは、人々が体内にもっと多くの化学物質が存在してから警告されるのでは遅すぎると述べて同意した。
しかし、『失われし未来』の共著者であるテオ・コルボーンはバイオモニタリングは低用量暴露と健康影響との間の関係がすでに存在するのだから極めて重要であると述べた。
”我々は、野生生物や実験室で起きていることから多くの情報を持っている”と1990年代に環境汚染がホルモンをかく乱することを発見した科学者として賞賛されるコルボーンは述べた。
”もしこれらの化学物質が存在する時には問題があるということを我々が野生生物や実験室の動物から知らされていなければ、これらの化学物質を探すこすらしなかったであろう”。
CDCのバイオモニタリング・データは研究者らが年齢及び人種ごとに脆弱な集団を探すことを可能にする。
たとえば、2003年報告書は、メキシコ系アメリカ人はアフリカ系アメリカ人や非ヒスパニック系白人より農業用農薬への暴露が著しく高いことを示した。
そして2005年の報告書によれば、子ども達は多くの化学物質について成人より高いレベルで暴露していた。
1999年にさかのぼって人々から収集されたデータもまた、どの化学物質暴露が増大しており、どれが減少しているかを示している。
しかし地域的な情報は欠如している。
”各州は州特有のデータ又は共同体特有のデータを持っていない”と、データのギャップを埋めるために2006年に立法化されたカリフォルニア州バイオモニタリング・プログラムを展開しているカリフォルニア州環境健康調査所の科学者ダイアナ・リーは述べた。
このプログラムのための資金は限られているが、同州はパイロット研究を開始しているとリーは述べている。
その目標は、人々の健康に対するリスクをもっと正確に決定するであろう追加的な研究調査に使用することが出来るカリフォルニアに特有な情報を提供することであると彼女は述べた。
訳注1:EWG Report
Summary:232 Toxic Chemicals in 10 Minority Babies
Full Texit:EWG Report / Pollution in People - Cord Blood Contaminants in Minority Newborns
訳注:参考情報
ピコ通信/第134号(発行日 2009年10月23日) 環境省/子どもの健康と環境に関する10万人全国調査 基本計画案提示/化学物質曝露と子どもの健康との関係が明らかにされるか