カリフォルニア州高等裁判所新たな難燃剤規則に対する異議を却下 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html

・Chicago Tribune 2014年8月29日
カリフォルニア州高等裁判所新たな難燃剤規則に対する異議を却下
情報源:Chicago Tribune, August 29, 2014
Judge tosses challenge to flame retardant rules
By Alex Garcia/Chicago Tribune
http://www.chicagotribune.com/news/ct-flame-retardants-update-met-20140829-story.html

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
掲載日:2014年9月1日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_14/
140829_Chicago_Tribune_Judge_tosses_challenge_to_FR_rules.html


 全米の消費者は、カリフォルニア州判事による産業側の法的な異議申し立ての棄却により、有毒で効果のない難燃剤を使用していない家具を購入することがもうすぐできる。

 世界で最大の難燃剤製造メーカのひとつであるケムチュラ社(Chemtura Corp.)は、全米で売られている製品中でこれらの化学物質を使わなくても基準を満たすことができると家具産業側が言っている新たな可燃性基準(訳注1)を阻止しようと試みて訴えを起こした(訳注2)。

 2015年1月1日に発効する予定のこの規制は、家具製造販売業者にタバコのくすぶりに耐える布/皮張材を求めるであろう。

 トリビューン紙の2012年の調査がどのように化学産業とタバコ産業が数十年間、これらの化学物質についての有効性について、欠陥のあるデータと疑問のある主張によって難燃剤を推進してきたかを報じた(訳注3)後、カリフォルニア州知事ジェリー・ブラウンは、この新たに更新された可燃性標準を命じた。

 連邦政府及び独立系の科学者らによれば、これらの化学物質は火災から家具の意味ある保護をしない。

 ケムチュラ社及び化学産業界の上位団体である米国化学工業協会は、カリフォルニア州当局は1975年に採択された最初の可燃性基準を変えることにより、その法的権限を逸脱していると主張した。

旧基準は、発泡材クッションはローソクの火に12秒間耐えることを求めており、ほとんどの家具製造者が発泡剤に難燃剤を加えることによりこの基準を満たしていた。

しかし、連邦政府及び独立系の科学者らは、もし家具の布・皮張材が最初に火災を止めれば、下にある発泡剤に難燃剤を加える理由はないと述べている。

 予備的判決で、カリフォルニア州高等裁所判事マイケル・ケンニイは、州当局は可燃性規則を変更することを彼らの権限内で行った。

ケムチュラ社の法的推論は不合理な結果をもたらすであろうと、ケニイ判事は6頁の判決文に書いた。

 判事は、一方でケムチュラ社と化学産業界の弁護士から、他方で州、消防士の団体、健康唱道公益団体の代表らかの審問の後、最終判決を金曜日(8月29日)に言い渡した。

 ケムチュラ社は、上訴するかどうかまだ決めていないと述べた。

 ”新たな基準は逆行するものであり最終的には全国で火災安全に有害影響を与えるであろうことは、我々にとっても、火災安全の関係者らにとっても明らかである”と、同社はそのウェブサイトに掲載した声明で述べた。

 この判決は、カリフォルニア州議会議員らが難燃剤を含む新たな家具にラベル表示を求める法案をブラウン知事に送った1日後になされた。

 州上院議員マーク・レノ(サンフランシスコ・民主党)は、新たな可燃性規則は難燃剤を禁止していないので、この法案の発起人となったと述べた。家具産業界の指導者らは、ほとんどの製造者らはこの化学物質を使用せずにこの規則に従うことを計画していると述べている。

レノ州上院議員は、トリビューン紙の調査は難燃剤の健康リスクについて懸念する唱道者らと、この化学物質は命を守るために必要であるとの主張者らとの間の長い拮抗を打ち破ったと述べた。

 トリビューン紙のシリーズは、化学産業とタバコ産業が数十年にわたり行ってきた布/革張りのソファーやチェアーに、がん、神経障害、発達障害及び不妊と関連する大量の難燃剤を詰め込む欺瞞のキャンペーンをどのように繰り広げてきたかを報告した(訳注4)。

 いくつかの家具製造者らは製造プロセスを変更しているが、難燃剤を使用しない家具が入手可能であるということをまだ広告していないが、その理由のひとつは、小売業者らはこのカリフォルニア州の規則の下に、この化学物質を含む製品の在庫を売り切ることを許しているからである。

  非営利の環境健康センター(Center for Environmental Health)はウェブサイトを立ち上げ、既に難燃剤を使用せずに製造されている製品を販売している会社をリストしている。

 ”我々は、判事が、有害で不必要な難燃材化学物質から我々の子どもや家族を守るカリフォルニア人の権利を支持してくれて喜んでいる”と、同団体の代表であるマイケル・グリーンは金曜日の裁判所の決定の後述べた。

”産業側のインチキな主張にもかかわらず、この判決は、我々がこれらの有害な化学物質を使用しないより安全な家具を持つことができることを再び示している”。


訳注1:TB 117-2013

TECHNICAL BULLETIN 117-2013


September 16, 2013 California Flammability Standards for Upholstered Furniture TB 117-2013 is Proposed


Department of Consumer Affairs, Bureau of Electronic and Appliance Repair, Home Furnishings and Thermal Insulation 15-Day Notice of Modifications to Text of Proposed Regulations


米国カリフォルニア州、柔らかいマットレス家具の可燃性新標準TB 117-2013 を正式に発布/島津(広州)検測技術有限公司ウェブ

訳注2
SFGate 2014年1月17日  難燃剤メーカー 新たなカリフォルニア州法を訴える

訳注3
Chicago Tribune 2012年5月6日 難燃処理発泡材はなんら火災安全の便益をもたらさない

訳注4

Chicago Tribune May 09, 2012 Distorting science: Makers of flame retardants manipulate research findings to back their products, downplay health risks


Chicago Tribune December 30, 2012 Doubts cast on new research touted by fire-retardant lobby