米・装身具業界有毒カドミウムを自主規制 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
・Yahoo! News/AP 2011年9月26日
米・装身具業界有毒カドミウムを自主規制

情報源:Yahoo! News/AP, 26 September 2011
Jewelry industry to self-regulate on toxic cadmium
By JUSTIN PRITCHARD - Associated Press, Mon, Sep 26, 2011
http://news.yahoo.com/jewelry-industry-self-regulate-toxic-cadmium-070746481.html  (魚拓)

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
掲載日:2011年10月4日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_11/110926_Jewelry_toy_cadmium.html


【ロサンゼルス-AP】長年にわたるリコールと法的な挫折に打ちのめされていた米国装身具業界は、子ども用装身具中の有毒金属カドミウムを自主的に制限することに同意した。

この規則は、すでにこの重金属の使用をやめさせる制限のつぎはぎのひとつに仲間入りした。

この金属は、死者や重度の障害の報告はないが、時間の経過とともに、がんやその他の疾病を引き起こすことが懸念されている。

 自主的な基準は、国や司法の調停によるより厳格な制限には劣るが、それらは装身具製造者や輸入業者が支持する国の基準を生み出すことにはなる。

 この制限は自主的なものなので、その基準を超えたカドミウムレベルの装身具を販売しても自動的に罰則が科せられるわけではない。

しかし、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は製品をリコールをするかどうかを決定するのにこの基準を使用するであろう。

 同委員会は、自主的な制限は、問題が何なのかについての共通の理解を作り出すために適切で最も早い方法であると主張していた。

同委員会は、広い範囲でこの基準に従わないことが判明しないかぎり、義務的な規則は求めないと述べた。

 過去数年間に、いくつかの州がカドミウムを規制する法案を通過させている。それらの州と同様に民間分野も、連邦政府による規制がないために残された溝を埋めることに協力している。

 AP通信の調査(訳注)に対応して、米国消費者製品安全委員(CPSC)は昨年、約30万個の高カドミウムのネックレス、ブレスレット、指輪のリコールを支援した。

AP通信は、いくつかの装身具は90%以上のカドミウムを含んでおり、もし飲み込めば極めて高いレベルのカドミウムが胃液の中に放出されると報告していた。

 典型的には中国で製造される問題の装身具はウォルマートから装身具専門チェーンストアー、1ドル(100円)ショップなどで入手可能であった。

 同委員会がこの新たに生じている問題をどのように取り扱うか決定する前に5件のリコールが行なわれた。

昨年の秋、科学者らが、子どもたちが舐めたり飲み込んだりした装身具から子どもたちの体にどのくらいのカドミウムが取り込まれるのかを模擬するラボ・テストに基いて、どのように装身具の有害性を特定するかを示すガイドラインを作成した。

そのプロセスで、同委員会は子どもたちが摂取しても安全であると推定した量の3倍以上の値を特定した。
 これらのレベルを越える装身具テストの結果が、事業者等にこれらの品を店の棚から撤去させる引き金になるかどうかは分からない。

 装身具産業に予測可能な規則を求めることを駆り立てているのは曖昧な連邦政府のガイドラインだけではない。

輸入業者と製造者は、小売業者からの新たなテスト要求、カリフォルニアやイリノイのような州による課せられる様々な制限、及び主要な小売業者らが環境保護者らとの訴訟で最近和解した時に確立されたもう一つの制限に従わなくてはならない。

 妥協のアプローチは、装身具産業と消費者運動家とテスト・ラボの代表による委員会で圧倒的に支持されることであった。

 この子どもの装身具小委員会が、広範な商品のための自主的な基準を設定している著名な組織、ASTM(米国試験材料協会)インターナショナルの名の下に召集された。

先週発表された結果は、消費者製品に関するASTM全体委員会がこの基準を承認し、また鉛や磁石のような潜在的な装身具の有害性にも目を向けた。

  ASTMアプローチの下に、”主に12歳以下の子ども向け”のアイテムとして定義される子ども用装身具は、それが0.03%以上のカドミウムを含むかどうかを調べるためにラボで初めてテストされることになるであろう。

 ”総含有量(total content)”テストに落ちたアイテムは、廃棄されるか、更なる分析に送られる。

小さなアイテムについては、その装身具が飲み込まれた翌日にどのくらいの量のカドミウムが胃の中に溶け出すかの二次テストが行なわれ、大きなアイテムについては、シミュレーションの条件下で、どのくらいのカドミウムが漏れ出すかを測定する追加テストが行なわれる。

 消費者安全委員会(CPSC)は、このアプローチを支持したが、実際に、そのASTM基準は同委員会の安全レベルとテスト方法に大きく依存している。
 産業界は、胃酸テストを2時間だけ実施することを望んでいたが、最終的には消費者安全委員会のスタッフが主張した24時間テストに同意した。

一方、消費者安全委員会は、環境保護者と消費者運動家が望んだアプローチを拒絶したが、彼等が望んだことは、どれだけカドミウムを放出するかではなく、どれだけカドミウムを含んでいるかということに基く、もっと厳しい基準であった。

 総含有量アプローチ(total content approach)は、議会が2008年に厳格な鉛制限に関する法案を通過させた後、装身具製造者等がカドミウムの方を選択して、使用をやめた鉛を、現在消費者安全委員会(CPSC)が規制しているアプローチである。

 ファッション宝石アクセサリー協会の理事長であり、この規則を書いたASTM小委員会の議長であるブレント・クリーブランドによれば、新たな自主的基準は、”安全な製品を禁止することなく安全性を確保する方法で、子ども用装身具中のカドミウムへの潜在的な曝露を制限できる”。

 しかし、この自主的な基準への唯一の反対投票者であり、環境健康センターの研究ディレクターであるキャロライン・コックスにとっては、そうではない。

オークランドを拠点とする彼女の組織は、数十の店の装身具中にカドミウムを見出しており、今月初めに、ターゲット社及びギャップ社を含む系列会社に対する訴訟で和解し、それらの会社は、たとえほとんど漏れ出なくても0.03%以上のカドミウムを含む装身具は販売しないことに合意した。

 コックスは、新たな装身具が当初の胃酸テストでうまく行っても、飲み込んでから数ヶ月たつと悪くなるであろうとASTMの作業中に主張した。

テストは、電気メッキが磨耗したり、装身具の表面が傷つくと内部のカドミウムがもっと多く漏れ出すことができることを示している。

 もし、この基準が、0.03%カドミウム制限だけに基づくなら、”我々はいろいろ心配しなくてはならないことがある”とコックスは述べた。

”この問題に対応するために、最初から総含有量基準を設定し直す必要がある”。

 消費者安全委員会(CPSC)の長は楽観的な意見を述べた。

 ”子ども用装身具のための新たなカドミウム基準をASTMが承認したことは、ひとつの前進である”と消費者安全委員会(CPSC)の議長イネツ・テネバウムは書面で声明を述べた。

”ASTMが彼等の作業を完成させ、できるだけ速やかにおもちゃの新たなカドミウム基準を発効させることが非常に重要である”。

 この基準は、11月初旬に発効するかもしれない。


runより:この基準は、11月初旬に発効するかもしれないとありますが関連記事が無いのでまだ発効してないのかもしれません。