有機水銀の危険性 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:未来の子どもたちのために
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・有機水銀の危険性

1.水俣病

有機水銀を理解していただくために、水俣病について少し知ってください。

公害病の中で脳障害がはっきり現れたのは水俣病です。
現在は公害病と認定されているが、認定までの経過は困難を極めた。

報告では、最初に水俣病特有の症状は、運動機能障害が猫に現れました。
ふらついて歩いたり、後ろ足が立たなくなり始めたのです。

やがてこの機能障害は、水俣地域の多くの人に現れだした。
視野狭窄(しやきょうさく)といって、目の見える範囲が狭くなったり、猫と同じように足がふらつき、きちんと歩けない人が次々増えていった。
中には熱いものに触っても、とっさに手を引く動作が出来ず火傷をする人も出てきた。 
さらに、耳の機能がが不自由になったり、言語障害を起こす人まで出始めた。

こうした現象に対し、人々は水俣湾で取れる魚介類に原因があるのではないかと考え始めていた。

そして、脳障害のある子供たちの誕生が始まり、多くの子供たちが重い障害とともに生まれました。
専門的には、重度重複障害と呼ばれているが、知能障害・運動機能障害・視聴覚障害・言語障害など、障害は複雑に絡み合って、大変重い障害が多かったと報告されているのです。

地域の人たちは、水俣で操業している化学工場の排水が問題と指摘したが、行政も企業も一貫して否定し続けた。

中でも日本化学工業協会は、日本社会の発展に果たしてきた役割を強く強調し続け、企業側を擁護し、問題を隠し続けたのです。


1956年、熊本大学の医学部研究グループが、
水俣で発生している不可解な病気の原因が
地元企業の工場廃水であると発表する。

さらに、1959年には水俣病の原因が、工場廃水中の有機水銀であると発表。

これは、日本の国立大学医学部としては、異例の発表である。

なぜなら、日本の医療は、石油化学による合成化学物質を薬として利用しながら発展してきたからである。


このとき、熊本大学の医学部研究グループが名指ししたのは、
地元企業の化学工場で、この工場では化学製品を製造するため触媒として水銀を使用していた。


「触媒とは、化学反応を手助けする物質と理解してほしい」


そしてこの水銀は化学反応を助け、最終的にはメチル水銀と呼ばれる有機水銀となって、工場廃水と共に処理され、水俣川から水俣湾に流れ出し、魚介類を汚染していった。


熊本大学の指摘に対し、いろいろ反論も出た。
化学工業関係者からは、旧日本海軍が大量投棄した爆弾説や、魚が腐ったときに発生する有害物質(マミン)説など自己防衛説が飛び交った。

生産する立場、使用する立場、利益を優先する立場は、何年経っても、現在でも強調され続けている。


しかし、熊本大学の医学部研究グループの主張は一貫していた。
住民の毛髪や、水俣湾の魚を食べていた猫を対象に、水銀の蓄積度合いを分析し続け、地域で発生した神経障害のある人や猫には、高濃度の水銀が蓄積されている事実を確認し公表した。
さらに、この化学工場排水からメチル水銀を検出して、猫に与える実験の結果、水俣病の発症が確認された。


水俣病をきっかけに、有機水銀の怖さが日本社会の中に知られたが、なぜ、放置され続けているのか不思議に思う。


合成化学物質優先の社会生活が続く限り、日本で生活する全ての人が、何らかの問題を抱えることになる。
生産する人、消費する人、立場を守ろうとする人誰もが気が付いている筈なのに、「サリドマイド事件」でもはっきりしているのに。

現在でも微量の有機水銀汚染は続いている。
そしてその汚染地域は、日本全体と受け止めてもよいと思う。



日本各地で起きた公害問題や近年多発している薬害問題は「危険が証明されていないから、問題ない」との姿勢や、管理監督する立場の人は、常に危険から遠ざかって生活している人たちである。



「こんなことを続けていては、いつか日本は破滅してしまう」ということを、行政も企業もしっかり認識してほしい。