・出典:化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
・グランジャン博士のウェブサイト
Chemical Brain Drain - News 2014年8月25日
我々は愚かになっているのか?
情報源:Chemical Brain Drain Website - News
Are we getting dumber?, 25 August 2014
http://braindrain.dk/2014/08/are-we-getting-dumber/
訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
掲載日:2014年9月7日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kodomo/CBD/Are_we_getting_dumber.html
【2014年8月25日】『New Scientist』誌の最近号のカバーストーリーは、”我々は愚かになっているのか?”と問うている。
同誌は、知能指数は増加しているとよく報告されているが、少なくともオーストラリア、デンマーク、イギリスのような長期間の記録を持っている国では逆であることを強調している。
テスト点数が増加しているとする説は、しばしばフリン効果(Flynn effect)(訳注1)と呼ばれているが、それは社会科学者ジェームス R. フリンにより初めて報告されたからである。
同誌の新たなデータは、この増加は止まっており、平均な点数は低下していることを示している。
しかし、これは本当の現象なのか、あるいテスト手法、教育傾向、コンピュータ経験、又は本質的な認識力とは無関係な社会的な変化によるものなのか?
この問いは、大いに論議のあるところである。
このサイトが以前に報告したように、認識力の低下はかなり前から始まっており、知能検査に基づく傾向は、より良い教育というような要素のために、人為的に高められているかもしれないことを示唆するいくつかの証拠がある。
恐らく、この新たな下降傾向は、長い間あった傾向が遅れて見えてきたものであろう。
コメントの中で同誌は、”我々の遺伝上の能力の潜在的な低下”に言及し、”非近交で賢い者をかつて生んでいた愚かな者は、今ではジャンクをがぶ飲みし、全くばかげたテレビ番組を口をあけてぽかんと観て、日々を過ごしている”と示唆している。
自然の選択は知能にほとんど注意を払わないということは真実かもしれないが、我々は遺伝的原因を受け入れなくてはならないのか?
このサイト及び著書『“Only one chance”』は、非常に異なる因果関係を支持している。
産業化学物質は、脳の発達にダメージを与えることができ、脳汚染物質への世界的暴露は、現在報告されている知能の低下の好例をまさしく生み出すであろう。
幸いなことに有害化学物質は化学的脳汚染を防ぐために制御することができる。
この機会にそのことを信じないのは愚かなことであろう。
訳注1:フリン効果
■世界中でIQ(知能指数)が上昇中【フリン効果】(イロリオ/谷口奈々 2014年1月6日)
http://irorio.jp/nanataniguchi/20140106/100163/
■特集:「限界」を科学する 知能は伸び続けるか(日経サイエンス 2012年12月号)
http://www.nikkei-science.com/201212_096.html