ネオニコチノイド系殺虫剤アセタミプリドのマルハナバチ類に対する安全性 | 化学物質過敏症 runのブログ

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http://agroipm.ac.affrc.go.jp/2010meeting/a-9.pdf
ネオニコチノイド系殺虫剤アセタミプリドのマルハナバチ類に対する安全性
○天野睦大
山本敦司(日本曹達(株)小田原研究所)
岩佐孝男(日本曹達(株)農業化学品開発G)
【目的】
現在、世界的に受粉用ミツバチが不足しており、その代替昆虫としてマルハナバチが注目されている。

殺虫剤アセタミプリドは、ニトログアニジン構造のネオニコチノイド剤に比較してミツバチに対する影響が小さいとの報告がある(Iwasa et. al. 2004 ; Crop protection 23 371-378)。

マルハナバチに対しても安全性が認められているが、ミツバチに比べ詳細な試験検討はこれまで行われていなかった。

そこで、今回は、アセタミプリドのマルハナバチ類に対する安全性を評価する目的で室内および圃場において試験を行った。

【供試マルハナバチ】
セイヨウオオマルハナバチ;アリスタライフサイエンス(株)「ナチュポール」
クロマルハナバチ;アリスタライフサイエンス(株)「ナチュポール・ブラック」
【室内試験】
・虫体浸漬法(セイヨウオオマルハナバチ・クロマルハナバチ)および経口毒餌法(セイヨウオオマルハナバチ)にて試験を行った結果、モスピラン水溶剤(アセタミプリド20%)は実用濃度の2000 倍希釈液(100ppm)でも影響が認められなかった。
・局所施用法(セイヨウオオマルハナバチ)にて試験を行った結果、アセタミプリドは1000μg/頭処理でも影響が認められず、ミツバチとの体重差を考慮しても、アセタミプリドのマルハナバチに対する影響はミツバチに対するものよりも小さいものであると推察された。
【圃場試験】
(1)
圃場試験におけるマルハナバチの活動パターン
薬剤を処理しない施設トマト(品種:チェリーピンク)におけるセイヨウオオマルハナバチの行動パターンは以下の通りであった。
・時間と訪花虫数の関係を調査した結果、午前9 時から午後1 時までは訪花虫数が多かった一方
で、午後3 時には訪花虫数が減少する結果となった。
・気温と訪花虫数の関係を調査した結果、20 度から30 度において、訪花活動が活発となった。
(2)
アセタミプリド3 剤型
モスピラン水溶剤(20%)2000 倍散布、モスピラン粒剤(2%)定植時植穴土壌混和、モスピランワン粒剤(1%)生育期株元処理のセイヨウオオマルハナバチに対する影響を評価した。

いずれの剤も処理当日にマルハナバチを導入し、その後の経過を調査した。
①訪花虫数、②バイトマーク率、③異常虫の有無を調査した結果、いずれの処理区でも無処理区と差は認められず、モスピラン関連剤はセイヨウオオマルハナバチに対して影響が無かった。
【まとめ】
室内試験および圃場試験を行った結果、殺虫剤アセタミプリドのマルハナバチ類に対する影響は認めらなかった。

本試験の結果も考慮され、バイオロジカルコントロール協議会が定める「マルハナバチに対する影響日数」は全ての剤型で1 日と記載された。


runより:つまりミツバチよりマルハナバチを使え・・・と。

ネオニコチノイドを使わないという選択肢は無いんだろうか?