報告書:見えないものを管理するナノテクノロジーへの機会と挑戦 2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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 スウェーデン自然保護協会(SSNC)が引き出した報告書の結論は次のとおりである。


欧州連合(EU)は、調和のとれたナノ物質の定義を緊急に採用し、それを全ての関連する規則と指令で実施する必要がある。

スウェーデンはこの作業における積極的で前向きな役割を果たすべきである。

スウェーデン自然保護協会(SSNC)は、スウェーデン化学物質庁(KemI)により提案されているように、REACH をナノ物質に適合させる”ナノパッチ”アプローチを完全に支持する。


他の多くの諸国とは異なり、スウェーデンは現在、ナノ物質の安全に関わる国家戦略が欠如している。

このことに対して緊急に対応する必要がある。

スウェーデン自然保護協会(SSNC)は、政府の検討用に昨年の秋に提案され、発表されたナノ物質の安全な管理のためのスウェーデン国家行動計画を支持する。


EUのいくつかの国とは異なり、スウェーデンはナノ物質の国家目録システムが欠如している。

EUの規則と指令がナノ物質に完全に調整される前に、スウェーデンは、市場にあるナノ含有製品の知識を増大させるために、国家目録システムを検討する必要がある。


EUは、国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM)(脚注3)の優先政策分野である”ナノ物質”の作業のために、財政的に及び技術的専門性をもって発展途上国及び移行経済国に、その支援をかなり増大する必要がある。

スウェーデンはまた、この分野の二国間支援を増大すべきである。


EUを通じてスウェーデンは、『南(Global South)』と『北(Global North)』(脚注4)との能力と知識の差を埋めるために、SAICM の枠組みの中で国際的ナノ協議会の設立のために働くべきである。


マイケル・カールソン(Mikael Karlsson)
スウェーデン自然保護協会(SSNC)会長


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脚注1 リスクは、物質の固有の有害(ハザード)特性と暴露シナリオの関数である。
脚注2 有害性(ハザード)は物質の固有の特性である。たとえばその有毒性。
脚注3 SAICM: Strategic Approach to International Chemicals Management(国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ)は、法的要求の外で化学物質の安全問題に対応するための多国間協定による、国連環境計画(UNEP)の下の自主的な政策プロセスである。
脚注4 Global South and Global North は、発展途上国/移行経済国及び在来産業国/富裕国をそれぞれ意味する国際支援一般的に使用される用語である。