LC/MS/MSを用いた室内空気中ネオニコチノイド濃度の測定 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:東京都健康安全研究センター環境保健部環境衛生研究科
http://www.tokyo-eiken.go.jp/index-j.html

・LC/MS/MSを用いた室内空気中ネオニコチノイド濃度の測定

 有機リン系殺虫剤のクロルピリホスはシロアリ駆除剤として多用されてきた。

しかし、床下から揮発して室内を汚染し、子どもの神経発達への影響が大きいことから、平成14年に使用が禁止された。

その後、使用されている代替の殺虫剤については、室内の実態について、ほとんど報告がない。

 そこで、代替として多用されるようになったネオニコチノイド系殺虫剤のうち、シロアリ駆除に広く使用されているイミダクロプリドについて、空気中濃度の測定法を検討した。

 イミダクロプリドは蒸気圧が低く、空気中濃度が低いと予想されることから、空気の捕集には、空気を多量に採取できる直径47 mmのフィルタータイプのものを用いることとし、材質の異なる4種のフィルター(石英、オクタデシルシリル化シリカゲル、スチレンジビニルベンゼン等)を用いて検討した。分析機器にはLC/MS/MSを用い、ポジティブイオンモードにより、測定イオン(m/z)を257/210とすることにより、高感度分析が可能であった(検出下限値:0.3 ng/mL)。

 空気採取では、機材の持ち運びが容易な小型軽量のミニポンプを用い、空気採取後のフィルターは、メタノールによる超音波抽出後、窒素気流下で濃縮した。

 回収率を求めるため、4種フィルターにイミダクロプリドを50 ng添加し、室内空気を流速3L/分で3日間通気した(空気量:約13 m3)。

その結果、石英フィルターの回収率が最も良好であり(83%)、本方法による空気中イミダクロプリドの定量下限値は20 pg/m3と求められた。