・出典:東京都健康安全研究センター環境保健部環境衛生研究科
http://www.tokyo-eiken.go.jp/index-j.html
・線香、お香及び蚊取り線香の煙中揮発性有機化合物(VOC)濃度
シックハウス症候群に関連する化学物質の発生源として、建材や家具が知られているが、その他には日用品の寄与があげられる。
線香は室内で使用される日用品のひとつであるが、燃焼時に発生する化学物質については報告が少ない。そこで、今回は線香、お香及び蚊取り線香の燃焼時に放出される揮発性有機化合物について調査した。
試料は、棒状の線香は杉線香3製品とタブ線香3製品、円錐形のお香2製品及び渦巻き状の蚊取り線香2製品の計10製品を用いた。
各試料に火をつけてガラス筒内で燃やし、空気を送って煙をテドラーバッグに採取した。次にテドラーバッグ内の煙を捕集管に採取して、GC/MSにより分析した。
試料1gあたりから、燃焼によって放出された揮発性有機化合物の総量は、蚊取り線香が最も多く(25.2 mg/g)、円錐形お香(5.4 mg/g)が最も少なかった。
各試料から共通して放出された物質は酢酸、イソプレン、2-メチルフラン、ベンゼン等であった。
ベンゼンは発ガン物質であり、環境基準(3 μg/m3)が定められていることから、線香を室内で1時間燃焼させた後の室内ベンゼン濃度を推計した。大気中ベンゼン濃度を1.1 μg/m3とし、6畳の部屋を想定して計算した結果、室内濃度は5.4~31.3 μg/m3となり、いずれも環境基準を超える結果であった。
そのため線香、お香、蚊取り線香を使用する際は、なるべく短時間に抑え、使用後の十分な換気が必要と考えられた。
runより:要らない物は多過ぎる。