・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
グランジャン博士のウェブサイト
Chemical Brain Drain - News 2014年3月10日
発展途上国における脳の発達
情報源:Chemical Brain Drain Website - News
Brain development in developing countries, 10 March 2014
http://braindrain.dk/2014/03/brain-development-in-developing-countries/
訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
掲載日:2014年4月17日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kodomo/CBD/Brain_development_in_developing_countries.html
【2014年3月10日】 発展途上国においては脳毒性農薬が容易に手に入るので、中毒はよくある出来事である。
さらに悪いことには、しばしば使用されている農薬製品は、他の場所ではとっくに禁止されている最も有害な物質のあるものを含んでいる。
問題の程度を確かめるのは難しいが、それは病院の記録は不完全であることがあり、真の農薬中毒事故を反映していないかもしれないからである。タンザニアからの新たな研究報告は、中毒事故の真の発生数は、公的な見積もりよりもほとんど3倍以上高いことを示唆している。
特定された中毒のうち、約10~15%が10歳までの子どもたちの事故である。
最も頻繁に関与する農薬は、最早先進国では使用されていない物質であるダイアジノンとクロルピリホスであるが、先進国の一部では輸出用にこの物質を製造し続けている。
この新たなデータは、年間に住民10万人当たり約4件の中毒事件が起きていることを示唆している。
以前の見積もりよりは高いが、それらは中央アメリカから報告された数の約10分の1でしかない。
このタンザニアの研究は、生存者の終身障害についてはほんのわずかの症例しか報告しておらず、著者らはこのような所見は、不十分な中毒患者のフォローアップと不十分な情報システムに起因するとしている。
入手可能な記録は、明らかに子どもの脳発達への有害影響を反映していない。
妊婦が農薬に暴露すると、胎児の脳はダメージを受けるかもしれない。
ダメージは、小児期の中毒が特に重大である。
発展途上国は貧困からの脱却に取り組んでいるので、脳毒性農薬により引き起こされる脳発達への有害影響の克服は、難しいように見える。
農薬の影響は、大いに過小評価されているが、それは暴露と中毒が不完全な記録しかない地域で起きており、実質的にフォローアップが行われていないからである。
もうひとつの脳汚染物質-鉛は多くの発展途上国におけるGDPの損出が約2%ということが最近示された。農薬もこれらの損出に不確かな量を加えているが、明らかにその量が重要である。
次世代の脳への危害は国家が耐えられないほどの犠牲をもたらす。