ボイスとタロンは、”最初に携帯電話を使用した時期、通話時間の累積、通話回数の累積、通話中に最も使用する耳の位置に対する脳腫瘍の場所(頭側)による評価のどれをとっても、曝露-反応関係に一貫性はなかった”と付け加えた。
一件落着か? 多分、そうではない。
エンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)とエンバイロンメンタル・ヘルス・トラスト(EHT)の両方は、不十分なデータと手法の欠陥が結果を問題あるものにしたと主張して、この研究結果に真っ向から反対した。
これらの組織の主張には次のようなものがある。
長期的な使用の影響を検証していない。
EWGは、この研究の参加者の中に5年以上携帯電話を使用した人はわずか5%しかいない。
EHTの代表デブラ・デービスの言葉によれば、”国際がん研究所ジャーナル(JNCI)の本研究は時間枠が制限されているのだから、子どもや青年に携帯電話による脳腫瘍のリスクがないという結果はまさに予期されたとおりのことである”。
彼女は次のように付け加えた。
”もし、あなたが4年間だけ喫煙した人々の肺がんリスクが増大したかどうか尋ねれば、結果はノーであろう”。
EWGによれば、携帯電話を10年以上使用している人々についての成人の調査では、統計的に有意ながんリスクが見出されている。
”定期的な”電話の使用の定義が弱い。
研究者等は、”定期的な”電話の使用者の定義を、”少なくとも6ヶ月間、平均として少なくとも週1回は通話する全ての対象者”としている。
EWGは、”ほとんど全ての携帯電話使用者が断言しているように、週1回の通話は極端に少なすぎ、とても典型的な使用頻度ということはできず、恐らく携帯電話をもっとしばしば使用しているであろう現実世界の人々にこの研究結果を当てはめることはできない”と主張している。
メディアの報道は小さいけれど重要な赤信号を無視している。
EWGは、研究報告書のある文に注目している。
そこでは、研究者らが電話会社の記録が利用可能な比較的少数の患者を見たときに、”最初の申し込み以来通話時間が増大するとリスクも増大するという統計的に有意な傾向”を見つけたということが示されている。
言い換えれば、子どもたちや青年たちの通話時間が長くなれば、彼等のリスクも高くなる-ということである。
だれの言うことが正しいか知ることは難しいが、ひとつのことは確かである。
この携帯電話研究のほとんどの記述はばら色に描かれおり、ほとんど批判をしていない-というEWG と EHT の指摘は正しい。
しかし、ボイスとタロンでさえ、議論は終っていないと暗示しているように見える。
”非電離放射に関連する健康影響の評価に対し、追加研究資金が費やされるべきかどうか、あるいはどの程度かについては、議論がなされるであろう”と、彼等は書いている。
そして、彼等は、”影響がないということを証明することは不可能である”と付け加えている。
runより:本当は電磁波過敏症を取り上げてほしいのですが発がん性リスクを強調する方が納得できる警鐘だろうと思います、多分そういう戦略でもあるでしょうね。
それでも決着がつけられないのが困りものです。