フランシスカ R. オリアンド氏は、WHOの担当官らにMCSに関するWHOのポジション・ペーパーがあるかどうか尋ねた。ネイラ博士とウスツン博士は、彼らが知る限り、彼らの関連部局にはそのような文書はないと答えた。
このことは、MCSの認知が、1998年のベルリンでのワークショップで出現した”突発性環境不耐性(IEI)の定義の採択に関する”推測される”IPCS-WHO の MCS ポジションの引用によって停止した国々にとって、極めて重要である。
ネイラ博士は、関連団体は ICD 11 に取り組んでいる世界中のWHOの様々な作業部会との連絡を是非確立するよう提案した。
ラフェンテ博士は、MCSとEHSの患者は、ほとんどの人々は反応しないような非常に低用量の生体異物(xenobiotics)に反応する過敏な人々であるということを、WHO の代表に確認した。
フランシスカ・グティエレス氏はネイラ博士に対して、ラフェンテ博士の説明は影響を受ける人々が小人数であるということを意味するのではなく、まったくその反対であると説明した。
我々は、すでに診断を受けた人々の数の多さに直面しており、人口の12%~15%の人々が化学物質の存在に何らかの被害を受けている。
EHSでは、影響を受けている人々の数は、人口の3~6%であるが、これらの数も増加している。
マリア・ネイラ博士は、常に非常に親切であり、我々が予期していた以上の時間を割き、彼女が次の会議に参加しなくてはならないときに、建物の外まで我々を見送ってくれた。
彼女は、我々の提案をしっかり受け止めると述べた。
代表委員会はネイラ博士と彼女のチームに対し、重要な議題に向けられた彼らの親切と関心に感謝している。
代表委員会のいくつかの所見
ICDを更新するためのルールが変更になった。
以前は国家の保健関連代表だけが参加できた。
現在は、新たなコードを開発するための参加に関して、有益な仮想的プラットフォームを通じて、もっとオープンになった。”WHOキャンペーン2011”から、両方の疾病について、調整され、合意された基準の下に、世界中のワーキング・グループが参加をすることができる。
我々は、 MCS と EHS の存在を示す十分な科学的証拠があり、すでにICDで認知されている他の諸国と同様に、アクセスコード(ICD)を持つことは特に大きな問題とはならないと信じる。
肯定的に評価させるために、WHO手法に従って情報を系統化しなくてはならない。
我々は神経系症状が最も重要であるということを忘れてはならないが、恐らく、最も微妙な部分は、MCSとEHSはともに複数の器官(系)の疾病であり、分類上、異なる分野(医学的特殊性)に配置される可能性がある。我々は、ICDにおける分類を含んで、これらの新たに出現している疾病に対するいくつかの疑問に答える新たな医学的パラダイムを確立する必要がある。
WHOは、これらの症状が存在することを知っている。
WHOの中で、これらの疾病の緊急性は論争を引き起こしたが、2015年のためのICDの開発のための手法が変化したという説明、及びワーキング・グループへの参加の可能性は、認知のために新たな可能性を開くものである。
各国は、WHOとは独立に、これらの疾病を認知し、それらを自国のICDに含めることができる。
WHOによれば、各国はこの問題に対して自主権を持つからである。
訳注1: QEESI 問診票
Quick Environmental Exposure and Sensitivity Inventory (QEESI) / Claudia S Miller, MD, MS
日本語版
QEESI 問診票
QEESI 結果の判断基準
(QEESIはブログ内にあるので割愛)
訳注2:日本のICD
日本では2009年10月1日付けで、標準病名マスターに化学物質過敏症が加えられた。
ICD-10 の分類コードは、T65.9(その他及び詳細不明の物質の毒作用,詳細不明の物質の毒作用)である。(交換用コード:QV58、ICD-10:T659、レセ電算コード:8845221)
ICD10 国際疾病分類第10版(2003年改訂)
http://www.dis.h.u-tokyo.ac.jp/byomei/icd10/