農薬の基礎知識・・・だそうです。:3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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(4) 農薬の歴史

日本では、その昔、いわゆる「虫追い」、「虫送り」といって、農家がみんなで太鼓、半鐘、たいまつ等をもち、声を出しながら田んぼのまわりを歩き、稲に付く虫を追い払ったといわれています。

江戸時代には鯨からとった油を水田に撒き、稲に付いている害虫を払い落とす方法が発明され、昭和の初期まで続けられました。

また、戦前には除虫菊(蚊取り線香と同じ成分)、硫酸ニコチン(タバコから)などを用いた殺虫剤、銅、石灰硫黄などの殺菌剤など天然物由来の農薬が使われていました。

しかし、雑草に対しては手取りによる除草が中心で、戦後、除草剤が開発されるまで続けられました。炎天下のこの作業は大変な重労働でした。

戦後、科学技術の進歩により化学合成農薬が登場し、収穫量の増大や農作業の効率化につながりました。

図1は、水稲における総労働時間と除草時間の変化を表したものです。

除草時間の場合、1949年では除草時間10アール当たり50時間であったものが、1999年では約2時間/10アールとなり、除草剤を使用することで除草作業は効率的に行えるようになりました。

これらの農薬の中には、人に対する毒性が強く、農薬使用中の事故が多発したもの、農作物に残留する性質(作物残留性)が高いもの、土壌への残留性が高いものなどがあったため、このことが昭和40年代に社会問題となりました(図2)。




図1. 水稲作業の労働時間の推移
((財)日本植物成長調節剤研究会調べ)


図2. 農薬による死亡事故数

このため、昭和46年に農薬取締法を改正し、目的規定に「国民の健康の保護」と「国民の生活環境の保全」を位置付けるとともに、農薬の登録の際に、登録申請を行う農薬製造業者や輸入業者は、農薬のほ乳類に対する急性毒性試験成績書及び慢性毒性試験成績書、農作物及び土壌において残留する性質に関する試験成績書を新たに提出することとなりました

その結果、これまで使用されてきたBHC、DDT、ドリン剤などの残留性が高く、人に対する毒性が強い農薬の販売禁止や制限がなされました。

この頃から農薬の開発方向は、人に対する毒性が弱く、残留性の低いものへと移行していきました(図3)。

また、近年は生物由来の農薬も開発され普及が進んでいます。


図3. 有効登録件数の急性毒性別割合
(注)普通物:毒劇物に該当しないものを指していう通称

農薬の基礎知識

農薬の安全性はどのようにして確保されているのか

農薬は、使い方を間違うと生物や環境に影響を与えてしまう薬剤や天敵です。

その安全性は、登録制度によって審査され、安全性が確保されるよう、作物への残留や水産動植物への影響に関する基準が設定され、この基準を超えないよう使用方法が定められます。

農薬の安全性は、登録された農薬について定められた使用方法を遵守することで確保されます。


runより:あんぐり・・・(^o^;)