Q6. EU において、ネオニコチノイド系農薬の使用が制限されること
となったとのことですが、その内容はどのようなものですか。
ネオニコチノイド系農薬のうち3 種類を、種子処理や土壌処理に使用すると、蜜蜂に悪影響を与える可能性があると述べられています。
EU で農薬の審査を行う機関である欧州食品安全機関(EFSA)が、2013 年1 月に、3種類のネオニコチノイド系農薬(イミダクロプリド、クロチアニジン及びチアメトキサム)について、蜜蜂への影響に関する評価結果を公表しました。
EFSA は、これらの農薬を種子処理や土壌処理(※)に使用すると、その結果として蜜蜂に被害が出る可能性があると述べています。
欧米では、畑地での大型機械による播種作業が一般的で、その際に種子から剥がれ落ちたり、粒が壊れたりして粉塵状になった農薬が巻き上げられます。
その結果、周辺の花が咲いている植物を訪れていた蜜蜂に農薬が付着したりする可能性があるといわれています。
また、農作物や周辺の植物に農薬が吸収されて、その植物の花粉や蜜を介して蜜蜂に被害が出たりする可能性もあるといわれています。
※ 種子処理とは、種子の表面に農薬の粉末をまぶしたり、農薬の溶液に種子を浸したりして、種子の表面に農薬を付着させることを言います。
害虫防除の目的で農薬をこのような方法で使用することは、日本ではあまり一般的ではありませんが、EU では、省力的な害虫対策として広く使用されています。
土壌処理とは、粒状の農薬を作物ではなく土壌に散布することを言います。
機械による播種作業では、種子をまく溝の中に同時に散布されるのが一般的です。
EU は、これらのネオニコチノイド系農薬について、蜜蜂の被害につながる可能性のある方法では使用させないことにしました。
EU では、2013 年5 月24 日に、蜜蜂を保護する目的で、これら3種類のネオニコチノイド系農薬について、次のように使用の一部を制限することを決めました。
・穀物や蜜蜂が好んで訪花する作物については、種子処理、土壌処理又は茎葉散布(農薬を作物に直接噴霧すること)による使用はできなくなります。
・施設栽培における使用や、花が終わった後の野菜・果樹に対する使用は、農家や防除業者であれば可能です。(家庭園芸用等では使用できません。)
(次ページの表も参考としてください。)
これらの措置は、2013 年12 月1 日より全面的に実施されます。ま
た、遅くとも2 年以内に、農薬製造者から提出される追加データなどを参考に、措置を見直すこととなっています。