その11:第7部:化学物質過敏症に関する情報収集、解析調査報告書 | 化学物質過敏症 runのブログ

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4.5 課題の整理
(1)病理学的な知見等の集積
現時点においても化学物質過敏症等の定義、病態・症候、発症因子・メカニズム、診断・治療方法についての明確な知見は確立されていない状況であるものの、化学物質過敏症等に対する行政や業界等による予防的な見地を含めた対策や取り組みは様々な分野において進展してきている。

今後とも、化学物質の人体への影響程度、因果関係等について、引き続き調査研究を進め、知見を集積していくことが必要である。

(2)室内空気中の化学物質濃度等の調査データの蓄積と対策の推進

室内空気中の化学物質濃度データをみると、ホルムアルデヒドやトルエンの濃度の顕著な減少がみられるなど、各種対策や取り組み等の効果がみられるものの、厚生労働省の「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」が策定した指針値を上回っているケースが散見されるとともに、一部の物質では濃度の上昇傾向等もみられている。
今後とも、室内空気中の化学物質濃度の実態等に関する科学的データの蓄積に努めていくことが必要であり、これらデータの蓄積が進展することにより、今まで取り組んできた対策等の効果の検証も可能になり、さらには、これらデータを科学的に解析することにより、更なる対策の推進が期待される。

(3)公害苦情処理・紛争処理の適正かつ円滑な実施
本報告書は、化学物質過敏症等に関する様々な情報を体系的に整理したものであり、今後、化学物質過敏症等に関する公害苦情や紛争等が発生した場合には、本報告書が参考資料として大いに活用されることが期待される。
なお、化学物質過敏症等に係る知見や情報は、日進月歩で更新されていることから、常に最新情報のチェックと収集を心がけ、適正かつ円滑な紛争等の処理に努めることが肝要である。

4.6 有識者ヒアリング
本報告書の作成にあたっては、京都大学大学院法学研究科教授 潮見佳男先生からご指導を賜るとともに、「化学物質過敏症及びシックハウス症候群に関する法律上の取り扱い及び訴訟等の状況」と題して、資料を作成していただいたので全文を掲載する。