シックスクール事故の顛末記 Ⅵ-2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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1月27日付けの使用材料一覧表から、防水剤に含有された揮発性有機溶剤の数量を以下に示す。

(2%から4%と表記されているときは、最大値を採用し、kg以下の小数点は四捨五入した。1kg以下の有機化合物は、品名のみを明記した。

●印=揮発性有機溶剤。

★=文部科学省学校環境衛生基準にあるもの。

*=何らかの有害性がある可能性のある物質。)

●★トルエン=19kg ●★キシレン=58 kg ●酢酸エチル=29kg ●トルエンジイソシアネート(TDI)=9kg ●フタル酸ジオクチル(DOP)=163kg ●酢酸ブチル=7kg ●メチレンビス2クロロアニリン(MOCA)=33kg ●ポリエーテルポリエール=172kg ●プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート=5kg ●アルキルフェノールグリシジルエーテル ●1,6ヘキサジオールジグリシジルエーテル *ビスフェノールA型エポキシ樹脂=2kg *ビスフェノールF型エポキシ樹脂=2kg *ポリイソシアネート=10kg *ポリアミドアミン=2kg *変性脂環式ポリアミン*芳香族炭化水素 *ステアリン酸塩・高級脂肪酸*ウレタンプレポリマー=473kg *ウレタン樹脂 *ポリ塩化ビニール樹脂 *エチレン・酢酸ビニル共重合体=10kg 以上合計=994kgである。


●印(明らかな揮発性有機溶剤)の合計495kgと西棟の工事材料を計算に入れると、800kg程度の揮発性有機化合物の使用を推定できる。

●★(文部科学省の学校環境衛生の基準)は合計77kgとなる。

(学校薬剤師による検知管検査当日の2004年12月1日に、防水工事を担当した業者は、「USウレタンプライマー塗布に際し、上記以外にも希釈剤として、トルエン20%・キシレン80%を追加使用した」と、保土ヶ谷高校の職員に話した。)


●トルエンジイソシアネート(TDI)、 ●フタル酸ジオクチル(DOP)、●メチレンビス2クロロアニリン(MOCA)に関しては、発がん性・有害性が指摘されており、特にフタル酸ジオクチル(DOP)=163kgは異常な数値である。

このような多量で有害な揮発性有機化合物が、授業中の防水工事で使用された。

 階下では窓を開けて、授業をしていた。

業者と管理職は、「窓から臭気が教室内に侵入した」と発言した。

それにもかかわらず、対策として「窓を開けて換気すること」のみを言い続けた。

窓から有機溶剤の臭気が室内に、もし侵入したのなら、音楽室・書道室以外にも階下の家庭科被服室、調理室、及び北棟に隣接する中央棟2階の職員室でも同様の臭気が続くはずであった。

窓からの侵入であれば、窓を閉めるように指示するのが普通の判断であろう。


■ダイヤ分析センターによる「小型チャンバー法」で検出された揮発性有機溶剤の考察
(小型チャンバー法とは、実際の居室を想定して、換気を行いながら建築材料から放散される揮発性有機化合物の濃度を測定するもの)

 ダイヤ分析センターが2005年3月22日から24日に行った、防水剤から検出した有機溶剤の主な濃度を示す。

検査記録では、脂肪族炭化水素類13品目、芳香族炭化水素類12品目、テルペン類3品目、ハロゲン類11品目、エステル類2品目、アルデヒド・ケトン類5品目、アルコール類その他4品目がTVOCとして報告されている。

合計52品目。(数値は四捨五入。単位はμg/m3)。