その5:第4部:化学物質過敏症に関する情報収集、解析調査報告書 | 化学物質過敏症 runのブログ

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(2)室内空気中の化学物質濃度
室内空気中の化学物質濃度については、全国的な調査として、厚生省(現厚生労働省)が全国の住宅385 戸に対して平成9~10 年に実施したものと、室内空気対策研究会(国土交通省他4 省庁及び学識経験者等により平成12 年度に発足)が平成12 年度より、全国の住宅(初年度約3 千戸、次年度以降1 千戸以上)について、平成17 年度まで毎年継続して実施したものがある他、文部科学省では全国50 校の小中学校において平成12 年12 月から平成14 年2 月にかけて、「学校環境衛生の基準」の見直しへの参考とするための調査を実施している。

また、厚生労働省が所管する厚生労働科学研究費補助金健康科学総合研究事業の「全国規模の疫学研究によるシックハウスの実態と原因の解明」における住宅調査でも平成15~16 年に全国6 地域(約400 戸)において実施している。

1) 厚生省調査
厚生省(現厚生労働省)では、国立医薬品食品衛生研究所が中心となり、全国の地方自治体の衛生研究所等の協力のもと、「一般家屋における室内空気中の揮発性有機化合物の存在状況について、その実態を全国的に把握するとともに、その室内濃度に影響を及ぼす因子を探る。

また、揮発性有機化合物の室内濃度と個人曝露量の関連性について検討する」という目的の下、平成9年度180 戸、平成10 年度205 戸の計385 家屋について、「居住環境中の揮発性有機化合物の全国実態調査」を実施した。
同調査では、既に室内濃度指針値が示されているホルムアルデヒド以外の揮発性有機化合物44 物質についての室内・室外濃度の測定及びライフスタイル及び居住者の健康についてのアンケート調査を実施している。
調査対象物質の一覧を表-4.2.5 に、主要な化学物質の室内・室外濃度調査結果を表-4.2.6 に示す。
同調査結果では、測定物質の室内濃度が室外濃度を上回る傾向が全体としてみられており、環境基準等との比較でみると、平均値では、ベンゼンが平成9 年の室外濃度以外は室内・室外とも環境基準濃度を上回った以外は、いずれの物質も、室内・室外ともに環境基準や厚生労働省の室内濃度指針値を下回る結果となっている。

しかしながら、最大値でみた場合は、最も高濃度を記録したp-ジクロロベンゼン(室内濃度で6,058.7μg/m3)をはじめとして、6 物質について環境基準や厚生労働省の室内濃度指針値を上回る結果となり、一部には高濃度の住宅があったことを示している。

また、新築住宅と中古住宅との比較では、トルエンの室内濃度平均値が、平成10 年度では、中古住宅の47.7μg/m3 に対して、新築住宅では平均値303.5μg/m3 を示すなど、一部の物質で高い傾向を示した、としている。
表-4.2.5 調査対象物質一覧

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表-4.2.6 主要な化学物質(指定物質等)の室内・室外濃度調査結果

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