その10:第3部:化学物質過敏症に関する情報収集、解析調査報告書 | 化学物質過敏症 runのブログ

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[3]全国規模の疫学研究によるシックハウス症候群の実態と原因の解明
本研究は、我が国におけるシックハウス症候群の実態を科学的に解明するため、北海道(札幌市)、福島(福島市)、名古屋(名古屋市、瀬戸市、豊田市)、大阪(高槻市、茨木市、吹田市、箕面市)、岡山(岡山市、倉敷市、その他)、北九州(北九州市)の全国の6地域において共通のプロトコル(実施手順)を用いた住宅調査を行うという、我が国初の本格的な疫学研究として平成15~17 年度に実施された。

初年度(平成15 年度)には、2,298 世帯に対するアンケート調査により、世
帯当たりのシックハウス症状の出現率を推定した結果、約0.8~2%の家屋で、鼻や皮膚の刺激症状などのシックハウス症状が認められ、住宅の結露やカビの発生など、湿度環境が症状に関係することを明らかにした。

翌平成16 年度には、実際に425 軒の住宅を訪問し、環境化学物質測定として、アルデヒド類(15 種類)とVOC(46 種類)について、パッシブ法により、24時間の測定を実施した。

また、温度・湿度の測定、エアサンプラーを用いた真菌定量評価、家塵中のハウスダスト抗原定量評価も実施した。この調査結果についての地域的、全国的な統合解析により、温度環境や一部の真菌、さらに個人の要因として、ストレスを感じることや、家の空気が悪いと感じることが有意に関連していることが示された。

さらに平成17 年度には、3 年目の追跡調査(271 軒)により、シックハウス
症状は消失・新たな出現といった、症状の変化が大きいことや、症状の出現に一部の化学物質濃度が前年に比べて上昇することが関与する可能性のあることが示された。

以上の結果から、シックハウス症候群には、化学物質のみならず、湿度環境や生物学的要因の影響を考慮した対策が必要であり、症状の変化や環境の変化についても留意する必要のあることが明らかとなった。

同調査における対象住宅に関する質問項目及び回答件数を表-4.1.10 に、対象者への質問項目及び回答件数を表-4.1.11 に、対象者の属性を表-4.1.12 に、また対象者のシックハウス症状についての有訴率を表-4.1.13 に示す。

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表-4.1.10(1) シックハウス症候群に関する全国実態調査アンケート結果
表-4.1. 10 (2) シックハウス症候群に関する全国実態調査アンケート結果
(対象住宅)-2