その9:第3部:化学物質過敏症に関する情報収集、解析調査報告書 | 化学物質過敏症 runのブログ

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シックハウス症候群における化学物質過敏症発症者と非発症者の免疫機能に関する比較研究


:シックハウス症候群を研究する上で化学物質過敏症発症の有無は疾患予後を決定する重要な因子である。

その病態解明を目的として、揮発性化学物質による負荷試験を施行し、患者群と対照群における相違点を明らかにすることが重要である。

方法は、室内環境により化学物質過敏症を発症した患者群より比較対照となる同居者あるいは同僚が存在する患者を選択し、それらの化学物質過敏症患者群と対照群で負荷試験を実施する。

その前後で各種因子を比較検討することにより、病態への寄与因子を見出す。

このことにより、シックハウス症候群から化学物質過敏症発症への機序の解明と予防法・治療法の開発が期待できる。

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化学物質過敏症患者の転地療養に関する研究(旭川と伊豆)
:化学物質過敏症患者対応の一つとして一時転地療養が重要視されている。

しかし、どのような施設を建てればよいのか、どのようなサポート体制を敷けば良いのかと言ったノウハウの蓄積がまだまだ必要とされる。

本研究では、化学物質過敏症一時転地住宅(旭川市)および脱化学物質コミュニティーあいあい姫之湯(伊豆市)において、主に化学物質過敏症患者の転地療養に適した環境条件を探ること、さらには転地療養の効果を探ることを最終的な目的とし、新築時から家屋および入居患者を継続的に調べている。

その結果転地療養によって、自覚症状や他覚的検査結果は、転地療養患者の健康状態が快復傾向にあることを示唆していると考えられる。

しかし、必ずしもすべての療養共通した傾向は認められておらず、また家屋環境についても総体的には化学物質濃度を押さえられているが、その他にも問題が生じてきており、まだまだ解決のためにはさらなる検討が必要であると考えられる。

出典:「平成15 年度~17 年度 厚生労働科学研究費補助金 健康科学総合研究事業 微量化学物質によるシックハウス症候群の病態解明、診断、治療対策に関する研究 総合研究報告書」(平成18 年3 月)より引用