カナダ下院常任委員会報告 :健康に対する農薬の潜在的影響 | 化学物質過敏症 runのブログ

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5. 健康に対する農薬の潜在的影響
5.  POTENTIAL EFFECTS OF PESTICIDES ON HEALTH
 
5.1 野生動物に対する農薬の影響を述べる科学研究は、農薬が生殖や成長・神経の発達・行動・免疫系及び内分泌系の機能に影響することを示している51。

これらの研究は人間が実際に曝されている濃度より高い濃度に曝された動物で一般に行われているが、人間存在に対して農薬の影響を証明することは困難、さらには不可能なので、専門家は人間に対する影響を推定するためにその発見を用いる。

野生生物の毒性データは、幼いもの(成長の出生前後の段階で)は農薬に対する一層の感受性を示す傾向があること及び、農薬の影響は生涯で遅れて現れ、さらには世代から世代に伝えられるかも知れないことを示している。

農薬の主な化学グループの潜在的影響は、動物を含む毒性データの例を用いてこの章で述べる。
 
 
急性及び慢性影響
 
5.2 農薬被ばくは健康に対する急性又は慢性影響を起こすことがある。

急性(又は短期)影響は、一般に農薬に対する重度の被ばく後直ちに生じ、良く証明されている。カナダ環境省カナダ野生生物サービスの研究者、ピエール=ミノーの研究は農薬は即座に殺すことができることを示している。

カーボフランやターバホスのような顆粒の形で用いられる一部の殺虫剤は、餌砂として殺虫剤を食べる鳥に対して高度に有毒である。

ミノー博士はカーボフランの一粒52が小さな鳥を即死させることができることを本委員会に伝えた。

ターバホスについては、死亡率は約50%である53。
 
5.3 慢性影響は長期間にわたって表れ、最初の被ばく後数年間続くかもしれない。

この影響は少量の農薬に長期又は繰り返し被ばくすること又は、多量の短期間被ばくに関係しているかもしれない。

慢性健康影響は一般には癌及び胎児と子供の発達妨害、生殖及び内分泌・免疫・中枢神経系(神経毒作用)のかく乱を含む54。

研究の不一致及び既存の研究の矛盾・データギャップのため、農薬被ばくの多くの慢性影響の確定にまつわる論争がある。

そのため、カナダ環境のための医師連合Canadian Association of Physicians for the Environmentのケリー=マーチン博士が本委員会に指摘したように、農薬とある種の病気との間の決定的結びつきを証明するのは困難である。
 
証拠を再評価した場合、膨大な寄せ集めがある。

人間であらゆる異なる結果を調べた恐らく300の研究があるが、農薬に結びつけることや、彼らが被ばくしたものにそれを分析することは困難である。喫煙や飲酒・その他全てを説明しなければならず、それを研究の中ですることができる55。
 
これらの研究の交絡因子にもかかわらず、証言者は人間の健康に対する重大な影響の可能性が心配の原因であると信じている。

証拠は限られているが、科学界が発達させた仮設は一層の研究を正当とする十分な科学的懸念である。マーチン博士は付け加えた:
 
私は懸念があると言うだろう。

限られた証拠があり、それについてきわめて多くの懸念がある。

それは白血病やリンパ腫のようなものではない。それらについては私たちは行動するためのきわめて良い証拠がある。

乳癌は農薬にまつわる他の大きな心配である56。
 
環境を大切にするチェルシー行動Action Chelsea for the Respect of the Environmentのメリル=ハモンド博士も本委員会に心配を現した。
 
有名な、ピアレビューされた医学及び疫学雑誌及び報告中に発表された多くの研究は、(私がこのリストを簡潔に読むように)内分泌かく乱及び不妊問題・先天異常・脳腫瘍と脳癌・乳癌・前立腺癌・小児白血病・共同体内の癌の群発・胃癌・学習障害・非ホジキンリンパ腫・イヌの悪性リンパ腫・種々の急性影響[...]を含む、化学農薬と深刻な健康結果との間の強い関連を指摘している57。