NATROM 2013/09/05 18:07
「文意を汲み取れていない」と主張するアマデウス龍彦さんのほうこそが、文意を汲み取れていない可能性について留意するべきでしょう。
文意を汲み取れない人に文意を汲み取れといっても無駄ですが、読者のためにお返事をいたします。
>私は、「精神医療の最新の状況」を語っているのです。
>それを、NATROM先生が私の文意を読み違えて、「SSRIの効果についての最新の知識」と脳内変換をされているのです。
多かれ少なかれ医療が「製薬企業に踊らされてきた」ことについては、別に精神科にも限りませんし、最近の話にも限りません。
そんなことは以前からの常識であると私は考えていましたので、まさか「知識のアップデート」としてそのようなことを持ち出してきたとは思いませんでした。
標準医学が必ずしも完全ではないからと代替医療(しかもよりによってホメオパシー)に飛びつくあたりから推測するに、アマデウス龍彦さんはかなりナイーブなお考えをお持ちであるようです。
製薬会社が営利企業であること、よってその宣伝は企業の利益のためになされることなど、ほとんどの医師は知っています。
とはいえ、創薬にはコストがかかること、競争原理が必要なことも事実です。多くの医師は(少なくとも私の周囲の多くの医師は)、製薬会社の宣伝は割り引いて考え、信頼できる情報にあたりたい場合は査読のある医学雑誌の論文を読みます。考えることを放棄して代替医療に飛びつくのはごく一部の怠惰で無能な医師のみです。
>著者は、Ann McCampbell, MDです。
典型的な陰謀論にしか見えません。
査読済みの論文はありますか?
査読のない"Letters to the Editor"ぐらいしかないのを知っていて聞いていますが。気付いておられるのかおられないのか、DR. McCampbellに対する反論は既に本記事にリンクが張ってあります。
DR. McCampbellの主張は専門家には相手にされていません(これも製薬会社の陰謀のせい?)。
「査読されていないがネット上に載っている情報」なら、宇宙人による誘拐だろうが、911陰謀論だろうが、千島学説だろうが、何でもありですね。
アマデウス龍彦さんならこれらの情報も信じかねないでしょうが。
>公害が盛んだった頃からすると、少なくとも日本では、規制も厳しくなり排出量も減っているでしょう。
>でも、産業化学物質というのは、環境や人体において蓄積されていくのです。
分解とか拡散とかはご存じないのですね。
>そこで、ウィキペディアからの引用ですみませんが、ちょっとお勉強です。
>残留性有機汚染物質(POPs)というらしいです。
具体例を挙げますと、残留性有機汚染物質の例として挙げられているダイオキシンですら、日本における母乳中のダイオキシン類の濃度はここ30年で5分の1になっています。
「だんだん総量が増えていく」という主張が間違っていることを示す具体的なデータです。以下のP14。
http://www.env.go.jp/chemi/dioxin/pamph/2005.pdf
「もしかしてNATROM先生は、環境学には疎いのですか?」などと仰るアマデウス龍彦さんは母乳中のダイオキシン濃度の推移についてご存知でしたか?知らないからこそ、ウィキペディアから引用するぐらいしかできなかったのでしょうが。
私がやってみせたような具体的なデータを示してみてはどうですか。
それから、私の情報源は、主に環境学の専門家(中西準子とか安井至とか)なのですが、どこかにそれに反対する環境学の専門家がいるのでしょうか?
もちろん、他人に「環境学には疎いのですか?」と仰るぐらいですから、専門家の一人や二人、すぐに名前が出てくるでしょうね。
>“環境や人体への蓄積”からの影響で、説明できるのではないでしょうか。
有害化学物質が「環境や人体において蓄積されていく」のだとしたら、シックハウス症候群だけでなく年齢調整後の癌の死亡率が減っているのはなぜですか?平均寿命や健康寿命や伸びているのはいったいなぜですか?多くの健康指標は以前(公害病が多かった時代)と比較して改善しています。
>つまり、遺伝的素因まで考慮すると、安全とされる基準以下の量の暴露でも影響を受ける人達がいるだろうし、
>それがどのくらいの量で起こるのかは、科学的に予測不可能と言うことですね。
「安全とされる基準以下の量の暴露でも影響を受ける人達がいるかもしれない」というのは事実ですが、その上限は科学的に予想がつくのです。
>ところでNATROM先生、このくらいのことは、化学物質過敏症に関してのサイトには、書いてある話ですよ。
>あなたは、化学物質過敏症について語るのに、そういうサイトを全くお読みになっていないのですか?
もちろんそういう話は知っていますし、そういう話が間違っていることも知っています。
「化学物質過敏症に関してのサイト」ではなく、信頼できる環境学の専門家の話はないのですか?あるいは査読論文は?
>標準医療でのRCTでの証明というと、多くの場合、製薬企業の協力とか、そういったことが出来る地位にいるなどの上で、成り立っていますよね。
大規模多施設の研究ならともかく、小規模の研究なら製薬会社の協力がなくてもできるということを、アマデウス龍彦さんは無知ゆえに知らないというわけですね。
具体例:化学物質過敏症の発症要因解明と芳香療法による症状緩和(無作為化割付介入研究)
http://kaken.nii.ac.jp/d/p/19659156
化学物質過敏症に対してアロマテラピーというのはさすがにちょっとどうかとは思いますが(「わかっててやった」ようにも見える)、研究し発表するのは素晴らしいことです。
北里もやればいいのに。
北里の研究は、患者の症状が良くなることよりも、「化学物質の害」を証明するほうに力点が置かれている(置かれていた)ように見えます。
>RCTを行う上での“倫理的問題”というものも、ありますよね。
>患者さんが「困り果てて受診しているのに」、研究対象として観察されるのかという話です。
患者さんが困っているのにつけこんで、効果の明確でない、もしかしたら悪影響があるかもしれない治療を続ける方が、倫理的に問題がありますね。
>そもそも代替療法は、患者の病気をホリスティックに捉える発想をすることが多いです。
この点についてはFAQであり、反論済です。
個人の反応が異なることはランダム化比較試験が実施できない理由にはならない
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20120529#p1
代替医療を支持者でも、まともな人は、RCTをはじめとして、何らかの方法でエビデンスを出す努力をします。アマデウス龍彦さんは、代替医療支持者の中でもとりわけダメな部類です。由井寅子氏レベルです。
>その場合は、“治せているから”じゃなくて、“権威があるから”ですよ。
実際に治っている患者さんもいらっしゃいますけど?
>「ホメオパシーの方がマシ」というのは、授乳中の女性の軽い情緒不安定の状況において、精神科薬よりはレメディの方がマシ、ということです。
授乳中の女性の軽い情緒不安定の状況においては、別に標準医療でも精神科薬は出しません。ある特殊な事例においては、標準医療を実践していない“標準的な”精神科医よりもレメディのほうがマシという状況もあるかもしれませんが、重症例においては“標準的な”精神科医のほうがレメディよりマシでしょう。
(よほどのヤブでも無い限り「授乳中の女性の軽い情緒不安定」に対して薬を処方する“標準的な”精神科医がそんなにいるとは思えないが)。
>「ホメオパシーが科学的かどうかはどうでもよい」「気休めでも患者さんが納得していれば良い」というのは、
>科学的な根拠に基づく治療が基本ではあるが、その他にも患者本人の気持ちに沿うものであれば、科学的な根拠がないものでも構わない、という意味です。
その論法だと、仮に「幻想に基づく権威」に騙されていたとしても、「患者本人の気持ちに沿うもので本人が納得していれば、製薬会社の言いなりの薬漬け医療でも構わない」ということになりますね。
事実に基づかない説明の上での患者の同意は無効です。
ホメオパスが事実(レメディには特異的効果はない点)を正直に説明しているならともかく、多くの場合はそうではないのですから、アマデウス龍彦さんの主張は破綻しています。
>私の仕事上の根拠の情報源は、医学書とネット上の医学情報です。
「ネット上の医学情報」とやらに、Ann McCampbell, MDなどという陰謀論も含まれるわけですね。
ネット上の医学情報のうち、信頼できるものと信頼できないものとをどうやって見分けているのか、と聞いております。ぶっちゃ言うと、信頼できる情報を見分ける能力がアマデウス龍彦さんには欠けていると指摘しています。
runより:おーおー、挑発的だねぇ。
最近私には挑発的発言はしなくなったけどやっぱ変わらんね。
NATROMは人に言う事が自分にも当てはまるという事を知らんのかな?
ちなみに化学物質過敏症は「治ればなんでもいいんだよ!」