メチルイソシアネート | 化学物質過敏症 runのブログ

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物質名 メチルイソシアネート
日本語名 メチルイソシアネート
メチルイソシアナート
英語名 METHYLISOCYANATE
ISOCYANICACIDMETHYLESTER
示性式
分子式 CH3NCO
C2H3NO
各種コード番号 CAS番号:624-83-9

骨格 直鎖炭素鎖(飽和) 
官能基 イソシアンイソチオシ 
用 途 殺菌剤,防かび剤,防汚剤 殺虫剤,防虫剤 
取扱量(トン) 調査年 対象地域 取扱量
1995年 神奈川県 0.001
1995年 横浜市 0
1995年 川崎市 0

外観的特徴 外観 液体または固体
その他外観的特徴 引火点が低い(-5℃)。

物理的性状 分子量 57.06
比重 0.9599
比重測定温度(℃) 20 ~20
溶解度 微溶
融点(℃) 35
沸点(℃) 119
蒸気圧(hPa) 27.6
蒸気圧測定温度(℃) 20

燃焼・爆発特性 引火点(℃) -5

法規制 労働安全衛生法〔名称等表示〕 名称等を通知すべき有害物
消防法〔危険物〕 危険物第4類

条例・要綱及び指針 旧神奈川県化学物質環境安全管理指針(参考) 特定管理物質
旧神奈川県先端技術産業立地環境対策指針(毒性係数分類) A類物質(旧)
旧横浜市化学物質適正管理指針 管理物質

許容濃度 許容濃度は、皮膚からの吸収量を考慮していません。
この物質は、皮膚からの吸収量も多いので注意して下さい。
ACGIH TWA(ppm) 0.02


急性毒性 対象動物種 投与経路 試験時間 毒性数値種類 毒性数値
ラット 経気道 6 時間 LC50 6100 ppb
マウス 経口 LD50 120 mg/kg
マウス 経気道 6 時間 LC50 12200 ppb
ウサギ 経皮 LD50 213 mg/kg
モルモット 経気道 6 時間 LC50 5400 ppb
ラット 経口 LD50 51.5 mg/kg

変異原性 試験種類 実験生物 結果
姉妹染色分体交換試験 マウス(生体内) 陽性
体細胞突然変異試験 マウス(生体外) 陽性

毒性症状 あらゆる経路で毒性を示す。皮膚、目、粘膜を激しく刺激する。変異原性あり。
事故事例
事故の名称 コンテナヤード内でのドラム缶(コンテナ内)の危険物漏洩
発生日 1984/05/26
時刻 16:10:00
事故の概要 上記場所に仮貯蔵中のコンテナ内蔵危険物(第4類第2石油類メチルイソチオシアネート,32ドラム,6400L)をコンテナから取り出そうとドアを開けたところ,異状な臭気が発生していたため,調査をしたところドラム缶1本に小さな穴があき,微量が流出していたもの。
事故の原因 左記場所に仮貯蔵中の危険物収納ドラム缶の胴板部分に,ピンホールがあいたため,中の危険物が漏洩したもの
発生場所 神戸市

事故の名称 インド・ポパールにおける爆発事故
発生日 1984/12/03
時刻 1:00:00
死亡者数 2500 人
事故の概要 インドの中央部ポパール市にあるユニオン・カーバイト社(農薬工場)で、約30トンのメチルイソシアネートが大気中に漏洩した事故で、約25万人もがガスに暴露された。

この事故は、化学物質による災害史上最大のものといわれている。事故の規模が大きくなった理由は、事故の発生した時刻が深夜であったこと、工場内で事故対処がされなかったこと及び事故発生後に工場が住民の避難措置を怠ったこと等にあるとされている。
事故の原因 メチルイソシアネート貯蔵タンク近くのパイプを洗浄する際に、作業員が遮断板を設置するのを忘れたため、洗浄水が貯蔵タンク内に流入し、メチルイソシアネートと水が反応し、発熱とメチルイソシアネートが分離して発生したガスの圧力によってメチルイソシアネートが大気中に漏洩した。
発生場所 インド・ポパール市

管理手法 耐火構造。他のすべての物質から離しておく。冷所。乾燥。特殊材料。
取り扱い上の注意 臭いを知覚した時は,すでに健康障害を起こしている可能性があるので注意。

アミン類,アルコール類,酸類,酸素の豊富な物質と接触すると,激しい反応が起こる。合成物質製容器,鉄製の容器は腐食される。

アルミニウム,ステンレス鋼は容器として耐久性がある。

取扱い保護具 【皮膚】保護手袋、保護衣 【吸入】換気および局所排気または呼吸用保護具 【眼】顔面シールドまたは呼吸用保護具と眼用保護具の併用 
事故時処理キーワード 避難を検討する 泡 防止堤で囲む 
事故時処理概要 【危険地域内】機械を停止し,発火物を取り除く。喫煙を禁止し,裸火を消し,火花を生じる電気器具,開閉器を停止する。【火災】小規模,大規模火災では,ドライケミカル,炭酸ガス。緊急時には泡を使用。水使用禁止。容器を水噴霧で冷却し危険地域外に移す。水を容器内に入れてはならない(反応により容器爆発の危険がある為)。【漏洩】危険がない場合には漏洩部をふさぐ。【流水】飲料水,用水,冷却水の取水者に了解を求める。【停留水】周囲を遮断し発火源を取り除く。危険地域の乗物を移動させる。【陸上】防止堤で囲みポンプで汲みとる。低域空間を塞ぐ。発火源を取り除く。残存物は不燃性で吸収力のある材料(乾燥した土,砂等)で覆い,密閉容器に入れ,廃棄のため安全な集積場に運ぶ。
事故時保護具キーワード 全身防護(激しく反応する) 
事故時保護具概要 周辺空気と無関係の(重装備の)呼吸防護器具,全身防護服を着用する。合成物質製の衣服は腐食される場合があるので注意。
救急応急処置キーワード 医師を呼ぶ 横臥搬送 呼気吹き込み 水洗浄(身体) 酸素吸入 身体保温 人工呼吸 水洗浄(眼) 側臥位(意識喪失時) 
救急応急処置概要 傷病者を新鮮な空気の所に移し,安楽に待機させ,窮屈な衣服部分をゆるめる。

呼吸停止の場合は,呼気吹き込み,器具による人工呼吸,酸素吸入。

ぬれた衣服部分,靴,靴下を脱がせ,遠ざける。接触した身体部位を水で洗浄する。

眼に入った場合,10-15分間水で洗浄する。そのためまぶたを親指と人さし指で拡げ,同時に眼をあらゆる方向に動かす

医師を災害現場に呼ぶ。傷病者の身体を冷やさない。搬送は必ず横臥させて行う。意識喪失の危険がある場合は,待機や搬送は安定な側臥位で行う。