早期警告からの遅すぎる教訓5 | 化学物質過敏症 runのブログ

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胎児被曝や魚被曝などのいくつかの事例で、それは必然的な量ではなく、害を起こすストレス因子への被曝のタイミングだ。

その害は、とくに被曝した時期の結果として作用する他のストレス因子によっても、発生または悪化するかもしれない。

ビスフェノールA などの化学物質や放射線(訳注:電磁波も放射線の一部)など他の場合では、低量被曝は大量被曝よりも更に害がある傾向がある。アスベストやタバコ等の他の物質やいくつかの環境ホルモンでは、混合物の有害影響は個別のストレス因子よりも大きくなることがある。

既存のストレスレベルや遺伝的、後成的条件に応じて、同じストレス因子でも、個人や種、生態系によって感受性は異なる。

この違いは、ある害がいくつかの被曝群や生態系では現れるが他のものでは発生しない、閾値や転換点被曝の差につながる。
確かに、蜂の巣の崩壊のように、ある系統のレベルでだけ現れる有害な影響がいくつかある。

蜂の個体のような系統の一部分を分析することで、それを予測することはできない。

複雑な生物学的、環境学的システムに関する私たちの知見は増え、ポリ塩化ビフェニール群(PCBs)やジクロロジフェニルトリクロレタン(DDT)は、生物地球化学的プロセスや物理的プロセスの範囲を通じて世界中に移動でき、数千km 離れた生物や生態系に蓄積することも明らかにした。

これらの観察の現実的な影響は三部からなる。

第一に、害を避けるタイムリーな行動を正当化するために、単独の物質やストレス因子が害を「起こす」という非常に強い証拠を確立することは大変難しい。

第二に、調査結果の一貫性の欠如は、可能性のある因果関係を捨てる強い理由にはならない。

第三に、一つの共因果関係のある因子への有害な被曝を減らすことは、その他の多くの因子で起きる全体的な害の大きな削減には必ずしもつながらないかもしれないが、多数の因果関係の連鎖の一部を取り除くだけで多くの害を減らすだろう。

私たちが暮らすシステムの因果関係の複雑さを管理し分析するために、もっと全体的で複数の学問からなる体系的な科学が必要だ。

環境・健康評価を再考し、その価値を高める
環境と健康の調査は、新しく発生した問題の費用とそれらの潜在的な影響で、未知の危害よりも、はっきり分かっている害にあまりにも焦点をあてすぎている。

例えば、鉛や水銀など最も良く分かっている10 種類の物質は、過去10 年間で主な環境系学術誌に発表された全論文の化学物質の約半数を占める。

情報通信技術(ICT)と同様、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーにおける、過去10 年間の欧州連合の公的調査資金提供は、製品開発に大きく偏り、それらの潜在的な害について1%しか費やしていない。

既知の問題と新しく発生した問題の間で、そして製品とその危害の問題に対して、もっと公平に資金を分配することは、科学の価値を高め、人々と生態系を将来の外から守るのに役立ち、それらの技術の長期間の経済的成功に役立つだろう。
全体論系科学にもっと資金提供することも、異なる科学の分野と対立する問題のより大きな統合を達成するのに役立つだろう。

その問題は、学科を越えず大部分が学科内での同僚審査であること、長期的ビジョンを打ち負かす短期的関心があること、相反する利益が原因で協力ではなく競争すること、パラダイム間の矛盾、価値と権威の崩壊、そして情報と知見の分裂などだ。

これらは全て、劣った解決策につながり、製品の疑惑に対して既得利益を伴う機会を増やす。