日本の農薬規制とその問題点:2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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★農薬規制の仕組み
 農薬と全く同じ成分が家庭用殺虫剤、防疫用殺虫剤、シロアリ防除剤、動物用医薬品などさまざまな用途で使用されている。

しかし、これらは別々の法律で規制され、中には全く規制がないものもある。
この用途別規制が一番大きな問題だ。
 現在の農薬と、その類似物質の主な法規制をあげる。
 農薬取締法、薬事法、食品衛生法、水道法、毒物及び劇物取締法、PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)
 これだけの法律がありながら、健康被害、環境汚染を防ぐことができていない。
 無規制の農薬類似品は以下の物がある。
 シロアリ防除剤/衣料用防虫剤/不快害虫用殺虫剤/非植栽用除草剤/製品に添加されているもの
(防虫畳、接着剤、抗菌加工製品、殺虫剤入り衣服・ネット、忌避剤など)

★農薬取締法の問題点
 農薬取締法には、以下のような問題点がある。
・農耕地、森林、芝地、その他植物栽培場所以外での使用は農薬取締法の対象外であること。
・人の健康影響評価は作物への残留による影響が主で、大気、水、土壌経由による人体の影響は配慮されていないこと。
・自然環境への影響は魚介類、蚕、ミツバチなど一部の急性毒性評価しか行われていないこと。生態系への影響評価が行われておらず、野生生物への影響はほとんど考慮されていないこと。
・農薬の登録失効の原因が公表されず、毒性が明らかにならないこと。
・輸出用農薬は農薬取締法の適用外であること。
・化学物質過敏症患者が増えているにもかかわらず、それに対するが対策がないこと。

★農薬による健康被害
 いくつかの統計はあるが、すべて重度の急性中毒のみであり、それも全体を統一的に示したものはない。

科学警察研究所は薬物中毒の統計を毎年発表している。

農薬によって死亡した人は2000年が709人、2008年が450人である。

自殺がほとんどだが、この統計には東京都は入っていない。

厚労省の人口動態統計では2010年の死亡者は495人になっている。

死に至る前の中毒や化学物質過敏症に関しての統計はない。