強さ [編集]
地磁気の強さは場所によって異なり、磁力は 24,000 - 66,000 nT(0.24 - 0.66 ガウス)。
赤道では弱く、高緯度地域では強い。
東京付近は約45,000nTである[6]。
現在の日本でのおおよその地磁気の強さは、約46,000nT[7]。
日本付近の平均的な地磁気の水平分力(H)の大きさは約3万nTで、静穏時の日変化の振幅は50nT程度であるが、磁気嵐の時は50~数百nTに達する地磁気変化(較差)が観測されることもある[8]。
変動 [編集]
地磁気は、常に一定ではなく、絶え間なく変化している。
地球外部の要因による変化 太陽フレア 磁気嵐や、激しいオーロラが発生したときには、数秒から数日のスケールで激しく変化する。
このような現象は、太陽風と関係がある。
太陽放射 磁気嵐やオーロラがない場合でも、一日周期で数十 nT 程度の変化が見られる。
このような一日周期の変化を日変化と呼ぶ。日変化は太陽放射と関係がある。
地球の発生する磁場そのもの変化 マグマの活動による地磁気の変化 磁鉄鉱床の消磁 鉄を含め、多くの強磁性鉱物は、キュリー点を超えると、磁化を失う。
永年変化 逆転よりももう少し変動の振幅が小さい、数年から数千年程度の時間スケールの磁場変動のことを永年変化と呼ぶ。
地磁気は年々弱くなっており、ここ 100 年では約 6% 弱くなった。
これはあと 1,000 年足らずで地磁気が消滅してしまうほどの減少率であるが、この程度の磁場変動は過去においてもそれほど珍しいものではない。
非双極子部分の西方移動
地磁気逆転[3] 地磁気の逆転は、地磁気極のN極とS極が反転する現象である。
古い火山岩などがもつ磁化を測定することで、過去の地磁気の様子を推定するという古地磁気学によって明らかにされた。
地磁気は平均すると 100 万年に 1.5 回の割合で逆転を繰り返しているが、その割合はかなり不規則である。
たとえば白亜紀には1千万年以上にわたり逆転のない期間があったと推定されている。
地磁気は、78万年前にN極とS極は逆転しており,過去360万年で11回逆転していたことが明らかになった。
利用 [編集]
地磁気の利用は古くから行われており、方位磁針を用いて方位を知るために用いられてきた(この場合得られるのは磁気方位であり、地理上の方位を得るためには磁気偏角で補正しなければならない)。
また、伏角を利用して姿勢計測・制御を行うようなシステムも存在する。
また、地磁気を利用したモーションコントロールセンサーも携帯電話等に実装例がある。
渡り鳥や回遊性の海生動物の中には地磁気を方位を知る手段として利用していると考えられるものがある。
活火山の近くでは、マグマの活動に伴って地磁気が変化することがある。たとえば高温のマグマやマグマからの火山ガスが地下浅いところまで上昇すると岩石が熱消磁して、全磁力が消磁域の南側で減少、北側で増加する。
このような地磁気変化は噴火活動の観測に使われている。
再検討 [編集]
コアの熱対流運動 コアの表面の温度が下がると、熱収縮により密度が上昇し、コアの内部に沈み込もうとする。
一方内部の熱い液体は上昇し、熱をマントルに捨てる。
これがコアの熱対流運動である。
コアは金属鉄を主成分としており、電気伝導度が比較的高い。
以下、出展不明 コアに一様に電流が流れると仮定すると、地磁気の双極子モーメントから予想される電流の強さは数十億アンペアにも達する。
ただしコアは半径が 3,500 キロメートル弱と、地球半径の半分以上も占めており、きわめて巨大であるため、電流密度にすれば 1 平方メートルあたり数ミリアンペア程度である。
地表で観測される磁場は、その大部分が、地球のコアに流れる電流に起因する。
コアに流れる電流は、エネルギーの入力が何もなければ、電気抵抗のために減衰し、10 万年程度で消えてしまう。
地磁気を維持している根本の原因のひとつは、コアの冷却である。
地球が誕生したときには、コアは溶融しており、液体の状態にあったと考えられる。
現在も、地震波の伝わり方の特徴から、コアの大部分は液体状態のままであることがわかっている(一部固化して内核を形成している)。
熱対流によって生じる運動エネルギーは、通常の発電機(ダイナモ)と同様、電磁誘導の原理によって、電磁気的なエネルギーに変換される。