低線量放射線の次世代への影響:講演を聴いて2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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今回の講演会は、福島原発事故後の日本で、最も重要、緊急と思われる二つの課題、化学物質と放射線をとりあげ、最先端で活躍されている先生にお話しいただいた。
現在および将来の世代の健康や環境に関わる国民会議の記念講演会にふさわしいものであった。

化学物質も放射線も低用量、低線量の毒性問題をかかえる。

環境(偽)ホルモンは正常ホルモンによる遺伝子の発現調節機構に異常を起こすが、遠山先生は他の多くの化学物質もDNAのメチル化などを通して遺伝子発現に異常をおこすエピジェネティックな作用の重要性を強調された。

井上先生も放射線による影響に伴う遺伝子発現の変化を解析され、両者は広い意味でのエピジェネティックという共通なメカニズム、研究方法論をもつ。

遺伝子発現を調べるマイクロアレイの技術は、研究費さえかければ確実に大量の毒性情報が得られるので、これによる将来の研究の発展に期待したい。
 さらに両者による複合汚染の問題がでてきた。ダイオキシン、環境ホルモンだけでなく、世界で一、二を争う農薬汚染など、日本の化学物質汚染は多様で著しい。

それに加えて福島を中心に関東全域も含む広域の放射能汚染である。

この二つによる複雑な複合汚染は農産物や水産物への濃縮、汚染を通じて食品汚染の形で日本人全体にひろがる可能性がある。

汚染地域で直接ばく露される人々だけでなく、全国民のこれからの健康被害や日本の次世代以降の将来の健康被害が憂慮される。

化学物質と放射線の複合汚染の研究は、野村大成先生の化学物質ウレタンによる発がんが少量の放射線暴露によって促進されるという、先駆的なものはあるが、ほとんどまだ行われていない。

化学物質、放射線については、それぞれの影響に加え、現実に進行する複合汚染の現状を考慮した、より厳しい安全への配慮が必要となるであろう。現状では研究データがすぐには手に入らないため、とりあえず国民レベルの予防原則による対策をさらに徹底すべきと考え、国民会議の更なる発展と活動に期待したい。


runより:私はあまり放射線とか話題にしませんがこの「講演を聴いて」の部分を掲載したいので今回は話題としました。