組合員資格のない組合員問題 [編集]
組合員が資格を満たしているかのチェックはほとんど行われていない。
その結果、2000年代には、本来であれば資格を持たないはずの組合員が、100万はいるという[1]。
また、そもそも組合員資格について問われない立場の「準組合員」もかなりの数にのぼっている。準組合員というものは、他の共同組合では存在せず、これも農協の特権のひとつとなっている。
事業内容 [編集]
事業内容は多岐にわたるが、主要事業(いわゆる「農協3事業」)として次の3つが挙げられる、
経済事業 組合員の生産物(農産物)の販売(販売事業) ファーマーズマーケット(農産物直売所)の運営
農業の生産に必要な肥料、農薬、農業機械や生活に必要な食品などの供給(購買事業) ガソリンスタンド(JA-SS)・プロパンガス供給元(クミアイプロパン)の運営
生活協同組合としての側面をもつスーパーマーケット(Aコープ)の運営
信用事業(通称・JAバンク。旧称・農協貯金→JA貯金) 営農指導
貯金、貸付、証券業の取り扱い(このため農協は小切手法においては銀行と同視されている)
共済事業(通称・JA共済。旧称・農協の共済) 組合内における共済(生命保険と損害保険に相当、終身共済、医療共済、年金共済、建物更生共済・自動車共済・自賠責共済など)の加入とりまとめ
大部分の農協では担当部署に関係なく、全職員が事業の推進(営業活動のこと)を行っている(特に農協3事業)。
そのほか、組合員向けの冠婚葬祭(主に葬儀(JA葬祭))事業、中~大規模病院の運営、高齢者福祉事業、観光・旅行事業(農協観光)、市民農園、郵便窓口業務の受託(簡易郵便局)、農機の販売・整備が主の自動車ディーラー、不動産仲介業、建築設計、自動車学校など、「農協で扱っていない事業は風俗業とパチンコぐらい」と言われるほど多岐に亘る。
これは、組合員たる農家の預貯金をほぼ一手に引き受ける豊富な資金と「農協」の信用力、組合員の互選で選ばれた組合長による文字通り「地域の発展の為」の事業展開の結果である。
また、生協などと違い信用事業・金融事業を禁止されていないなどの特権を持つことも理由である。
これらの特権は族議員や農協のロビー活動などによって死守されてきた。一方で、農協婦人会や青年部等による生活改善運動は、農村の食生活や生活改善など教育の場として発展して来た。
事業内容が多岐に亘ることで「農協簿記」という特殊な簿記も用いられる。他業務をカバーする勘定科目を使い、なおかつ購買や販売等については独自の勘定科目名称を用いる。
東京都御蔵島村の御蔵島農協のように、地域農協だが、信用事業を行っていないところもまれにある。群馬県上野村の上野村農協のように信用事業だけ譲渡し、信用事業を廃止したところもある。
また、宮城県の農民の家農協は農民運動活動家が組織した組合で、利用事業として温泉のみを経営する特殊な組合である。
全県1農協を目指しての合併促進がされているところもあり、沖縄県・奈良県などはすでに実現した。
総合・専門農協 [編集]
個別の農協(単位農協)には、地域の農業者が集まった(出資)総合農協のほか、同じ生産物の農家だけが集まった専門農協(例:園芸農協)もある。2005年2月現在、887の総合農協に約515万人の正組合員がいる。
なお、農業者でなくても、准組合員として加入(出資)することで全ての事業が利用可能である。
准組合員になれるのは基本的に、各農協の管轄する地区に居住している人に限る。
ただし、地区外でも勤務地が地区内にあるか、継続して事業を利用することで准組合員になることができる。
また、全く出資をしていなくとも一定の事業(信用事業の一部・共済事業・Aコープ店など)は組合員外利用として、正組合員利用の20%以内で誰でも利用することが出来る。