・危険性の高い化学物質から身を守る方法 [編集]
日常生活や一般の仕事の場で、危険性の高い化学物質から身を守る方法としては次のようなことが挙げられている[5]。
口に入れない、唇に接触させない。
においを嗅がない。吸い込まない。
素肌・素手で触れない。
化学物質どうしを近づけない。
やむを得ず扱う時は換気を確保し、風上に身を置く。
保管は屋外の離れた場所にする。
化学物質による食中毒 [編集]
食中毒の中でも、何らかの原因によって鉛、ヒ素などの無機物質、PCB、メチルアルコールなどの有機化合物などの化学物質が食品中に混入し人を侵襲して起きる食中毒は「化学物質による食中毒」と定義されている[6]。
日本で起きた「化学物質による食中毒」事件で特に知られた件に限っても、今までに以下のような事件が起きている[6]。
富山県神通川の流域住民の方々にイタイイタイ病が起きたのは、金属鉱業所と関連施設から排出されたカドミウムが原因とされている(イタイイタイ病事件、1945年頃から)。
砒素によって粉ミルクが汚染された事件(1955年)(森永ヒ素ミルク事件)。
米ぬか油へのPCBが混入したとされた事件(1968年) (カネミ油症事件)。
工業用メチルアルコールによる中毒事件(1974年)。
化学物質が人の口を通して健康に被害をもたらす例として、ヒ素による中毒が挙げられる。
日本では、茨城県で高濃度のヒ素が井戸水から検出され健康への影響が出ているとされており、他国ではバングラデシュ、中国、ネパール、ベトナム、カンボジアなどのアジア諸国においてヒ素による中毒が広がっているという[6]。
食中毒には様々な原因のものがあるが、他の原因の食中毒であれば消費者の側で予防することができる場合があるのに対して、化学物質による食中毒というのは消費者の側で予防することは困難だということが言える[6]。
出典 [編集]
1.^ “化学物質リスクコミュニケーションマニュアル (PDF)”. 中小企業基盤整備機構. 2010年10月24日閲覧。
2.^ a b 岩波書店『広辞苑 第六版』
3.^ a b c 亀井太『化学物質取扱いマニュアル』pp. 9–15
4.^ “環境コラムVol.26-暮らしの中の化学物質。”. 花王 (2003年9月1日). 2010年10月24日閲覧。
5.^ 亀井太『化学物質取扱いマニュアル』
6.^ a b c d 社団法人日本食品衛生協会『食品衛生責任者ハンドブック 第4版』p.86
参考文献 [編集]
米谷民雄『食品中の化学物質と安全性』日本食品衛生協会、2009年。ISBN 4889250301。