7月 (4110)その他の食料品製造業 中毒1名 特定化学物質 塩素 加工野菜を滅菌するための殺菌層に溜めた殺菌液(濃縮梅酢エキスと亜塩素酸ナトリウムの混合液)に前日に指示をうけた内容を誤って次亜塩素酸ナトリウムを入れた際、塩素ガスが発生したもの。
亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムの混触作業標準なし(作業変更時における)管理者の指示不徹底MSDS周知不十分安全衛生教育不十分
7月 (4702)無機工業製品製造業 大量漏洩 特定化学物質 硫酸 事業所内の屋外タンクヤードにおいて、濃度75W%の硫酸を保有している硫酸タンクの配管途中にある硫酸払出ポンプ近傍の圧力計付き液抜き用配管(塩化ビニル樹脂管)のT字管の部分がねじ切れたため、当該箇所から硫酸が漏洩したもの。 作業主任者選任せず
計画届未提出
硫酸漏洩防止作業規程なし
定期自主検査未実施
7月 (4103)野菜かん詰、果実かん詰その他の農産保存食料品の製造業 中毒1名 特定化学物質 塩素 被災者は、冷凍山芋とろろ製造ラインの製造終了後、山芋の殺菌を行うための次亜塩素酸を主成分とする水溶液を生成する装置に次亜塩素酸ナトリウムと希塩酸を補充しようとしたところ、誤って希塩酸供給口に次亜塩素酸ナトリウムを注入したことにより塩素ガスが発生したもの。 作業主任者指揮せず
単独作業
塩酸と次亜塩素酸ナトリウムとの混触
容器の区別不明瞭
呼吸用保護具なし
作業標準未作成
7月 (6304)一般金物製造業 化学性肺炎1名 特定化学物質 硝酸 メッキ不良品のメッキはく離のため、希硝酸液につけ置きしておいた当該メッキ不良品を硝酸液から引き上げ、水で洗浄する作業を行ったところ、換気装置は局所排気装置があったものの、定期自主検査を行われておらず、また、呼吸用保護具は活性炭素入りマスクで有効ではなかったことから、硝酸蒸気を吸入したもの。 管理監督的な立場にある者(被災者)の安全衛生に関する認識不十分
作業主任者選任せず
局所排気装置の整備点検なし
作業標準策定せず
呼吸用保護具選択不適切
8月 (9414)医療保健、法務、教育、宗教、研究又は調査の事業 中毒1名 特定化学物質 塩素 便所清掃作業において、被災者はトイレ用洗浄剤(塩酸含有)と長柄ブラシを使用して大便器の清掃を行っていたが、大便器の付着物が除去できなかった。そのため、トイレ用洗浄剤を洗い流さないまま次亜塩素酸ナトリウムを含有する漂白剤を便器内にかけたところ、その直後に、塩素ガスが発生したもの。 作業主任者選任せず
塩酸と次亜塩素酸ナトリウムとの混触
換気不十分
呼吸用保護具なし
作業手順不適切
8月 (4703)有機工業製品製造業 中毒51名 特定化学物質 塩素及び塩化シアン 有機化合物の製造設備で塩素供給配管のコントロールバルブを修理するため、反応器に反応液(塩化シアン水溶液)が入った状態で、配管内の塩素を窒素ガスで置換していたところ、排ガス吸収塔にアルカリが予定よりも少なかったため、吸収できなくなった排ガス中の塩素及び塩化シアンが大気排出パイプから、警報が鳴らされないまま大量に排出されたもの。 (被災者の所属事業場に起因する原因なし。原因物質発生事業場に係る原因として)
警報装置の無効化
8月 (3801)工作物の塗装工事業 中毒1名 特定化学物質 二酸化硫黄 屋上にある吸収塔の点検台の上で塗装作業を行っていたところ、目の前にあった配管口から、重合機の運転により発生した二酸化硫黄が噴き出し、それを知らされていなかった労働者が吸入したもの。 注文者から請負人への連絡不備
8月 (9101)清掃業 中毒1名 特定化学物質 硫化水素 廃棄物中間処理工場の撹拌槽に廃液投入後、タンクローリーを洗浄し、タンクローリー附属のエアクリーナー(空気と酸を分離する装置)内に溜まっていた廃液をバケツに受け、開口部の蓋を開けて、撹拌槽内に流し入れようとしたところ、開口部から漏れ出た硫化水素ガスにばく露したもの。 廃液中の硫化ナトリウムと酸、酸性塩などが反応して(又は空気中の酸素と反応して)硫化水素を発生したこと
8月 (9414)一般診療所(産婦人科医院) 中毒2名 特定化学物質 エチレンオキシド 手術準備室において、医療機器販売業者の作業員が室内に設置している(エチレンオキシドのガスボンベを新品に交換する作業を行っていたところ、作業に慣れていない作業員が、誤った栓を開放したため、ボンベ内のガスが漏れたもの。 作業主任者選任せず
作業標準作成せず
有害な場所への関係者以外の立入禁止措置未措置
呼吸用保護具不着用
安全衛生教育不十分
8月 (4102)水産食料品製造業 死亡1名 特定化学物質 アンモニア 食料品工場の冷凍機室内において、作業者が保護具着用がなく、冷媒であるアンモニアに混入したコンプレッサー用の油を抜くため、廃液用バルブを、通常作業で必要とされる以上に開放したことから、コンプレッサー用の油とともにアンモニアが大量に漏洩したもの。 保護具不着用
廃液中のアンモニアに対するばく露防止措置なし
警報装置点検不足
9月 (9424)医療保健業 中毒1名 特定化学物質 塩素 病棟汚物処理室でのポータブルトイレ洗浄において、便器内に漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム含有)を入れてあったのを、被災者が単に尿がたまっているものと錯誤して、トイレ用洗浄剤(塩酸含有)を便器に注入したため、塩素系ガスが発生したもの。 作業主任者選任せず
塩酸と次亜塩素酸ナトリウムとの混触
呼吸用保護具なし
作業標準未作成
作業中の連絡調整不十分
9月 (5801)自動車製造業 薬傷1名 特定化学物質 硫酸 鋳造工場において、硬化剤(主成分:硫酸38%)のコンテナが空になったため、新しいコンテナへの交換作業中、コンテナにホースを接続せず開閉バルブを開放したところ硬化剤が噴出し、交換作業を行っていた被災者が顔面部等に硬化剤を浴び、コンテナの開閉バルブを閉止できず、硬化剤500リットル程度が漏洩したもの。 作業主任者選任せず
単独作業
誤操作時の安全対策(ホースを接続しないと開閉バルブを開放できない構造にするなど)不十分
作業標準未作成
安全衛生教育不十分
9月 (5204)その他の金属材料品製造業 中毒6名 特定化学物質 弗化水素 電子線加速器を使用してポリテトラフルオロエチレンを分解して微粉末にするための反応を行っていたところ、別の作業が入り、反応作業中のポリテトラフルオロエチレンの入っていたトレイを局所換気装置がない作業場内で保管したところ、分解副生物として発生する弗化水素を吸入して中毒になった。 非定常作業における作業標準なし
9月 (3801)既設建築物設備工事業 中毒1名 特定化学物質 アンモニア 工場内にある、アンモニア水の製造プラントの配管ガスケット交換作業において、あらかじめ決められていた作業指揮者が現場におらず、発注者からの文書による具体的な指示もなかったことから、作業すべき配管がわからず、誤って工事対象とは異なる補液配管のフランジを開放し、アンモニア水が噴出し、ばく露したもの。 発注者から作業の安全衛生に係る文書提供なし
単独作業
作業標準不徹底
作業指揮者指導せず
10月 (5102)非鉄金属合金の製錬又は精錬業 中毒2名 特定化学物質 塩素 アルミリサイクル工場の塩素気化室において、作業主任者が2名とも休日を取っていた中で、塩素ボンベの交換作業を一人でテルハを使って行っていたところ、外したバルブがボンベの縁に引っかかり、銅配管が引っ張られたため、バルブ付近の銅配管に亀裂が入り、別系統の塩素が逆流したもの。塩素気化室を覗いた労働者が塩素ガスを吸入し塩素中毒をおこした。 作業主任者選任せず
作業規程作成せず
単独作業
無資格者作業(玉掛け)
退避等未措置
呼吸用保護具不使用
10月 (4703)有機工業製品製造業 中毒1名 特定化学物質 塩化水素 塩素化ポリプロピレンを製造するプラント内において、局所排気装置の異常に気づかず反応缶中の溶液のサンプリングを行っていたところ、吸込ダクトから逆流していた塩化水素ガスを吸入し、中毒になった。 故障発生時における措置事項報告不適切
警報装置が作動した際の原因把握せず
緊急時における作業主任者職務不履行呼吸用保護具不着用
11月 (5001)製鉄業 大量漏洩 特定化学物質 塩化水素 製鉄所構内のFRP製回収酸タンクが側壁下部において、ノズルの取り付け部及びンク胴体が裂け、内容物である塩酸が大量に漏洩した。 (推定原因として)ノズル取り付け時における追加加工分に接着が弱い部分があり、そこから酸が進入して、耐食性の弱いガラス繊維層に酸が浸透することによる酸応力腐食割れが起こったもの。
12月 (9803)宿泊業 中毒1名 特定化学物質 塩素 浴場の洗浄作業中、タイル洗浄剤(塩化水素1%以上含有)を補給するために、機械室に行ってタイル洗浄剤の入っているタンクから小分け容器に移し替えをしようとしたところ、タンクのノズルが外れ、タイル洗浄剤が大量に飛び散ったもの。飛び散ったタイル洗浄剤と下方に置いてあった塊状の水処理用塩素化剤(トリクロロイソシアヌル酸含有)が反応し、発生した塩素ガスを吸入した結果、中毒になった。 MSDS未受理
作業主任者選任せず
作業標準作成せず
呼吸用保護具等未装備