・用途別、剤型別、使用場所(屋内外)別の配合成分数及び主な配合成分名を表9、表10及び表11 に示した。
用途別の配合成分数を見ると、不快害虫用駆除剤(52 種類)やシロアリ用駆除剤(40 種類)の成分として配合されているものが多く、次いで、鳥獣用忌避剤(25 種類)の成分として配合されているものが多かった。
また、非農耕地用除草剤の配合成分はグリホサートのみであり、シロアリ駆除剤のうち、木部処理剤には殺菌・防腐効果を有する成分が含まれていた(表9)。
剤型別の配合成分数では、液剤(63 種類)が最も多く、固型剤(48 種類)がこれに次いで多かった。
使用場所別の配合成分数では屋内が78 種類であったが、屋外の72 種類との差は小さかった(表10~11)。
また、各配合成分を使用した製剤の数を用途別、剤型別、使用場所(屋内外)別に表12、表13 及び表14 に示した。
その結果、最も多くの製剤に使用されていた薬剤はエトフェンプロックスで、次いでビフェントリン、エンペントリン、ペルメトリン、フタルスリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、シラフルオフェン、シプロコナゾール、シフェノトリンの順であった(表12~14)。
これらを用途別に見ると、シロアリ駆除剤では、ビフェントリンを使用した製剤が最も多く、次いでエトフェンプロックス、シプロコナゾール、ペルメトリン、イミダクロプリドの順であった。
不快害虫用殺虫剤では、フタルスリンが最も多く、次いでフェニトロチオン、フェノブカルブ、エトフェンプロックス及びシフェノトリン、カルバリルの順であった。
また、繊維用防虫剤ではエンペントリンやパラジクロロベンゼン、鳥獣用忌避剤では、天然(植物)成分や木酢液、不快害虫用忌避剤では、脂肪族カルボン酸エステルや天然(植物)成分、ディートを配合したものが多かった(表12)。
剤型別では、エアゾール剤は、フタルスリンを配合したものが最も多く、次いでシフェノトリン及びプラレトリン、エトフェンプロックス、フェノトリンの順で、燻煙・蒸散剤ではエンペントリンが最も多く、次いで天然(植物)成分及びパラジクロロベンゼン、ナフタリン、固型剤では、フェノブカルブが最も多く、次いでフェニトロチオン、カルバリル、メタアルデヒド、ビフェントリン、液剤ではビフェントリンが最も多く、次いでエトフェンプロックス及びシプロコナゾール、ペルメトリン、シラフルオフェン、イミダクロプリドであった(表13)。
使用場所で見ると、屋外で使用するものでは、フェニトロチオンが最も多く、次いでフタルスリン、フェノブカルブ、エトフェンプロックスの順で、屋内使用は、ビフェントリン、エンペントリン、エトフェンプロックス、ペルメトリン及びシプロコナゾールの順であった(表14)。
表9~11 に示した配合成分数と表1~3に示した製剤数から、剤型別、用途別、使用場所別の1配合成分あたりの平均製剤数を算出した結果を表15 に示した。剤型別では、最も少ない剤がエアゾール剤及び固型剤で2.8 製剤/配合成分、最も多いものが液剤で3.8 製剤/配合成分であった。
また、用途別で10 製剤以上が回答されている製剤で見ると、浴室用等カビ取り剤が1.4 製剤/配合成分、不快害虫用忌避剤と鳥獣用忌避剤がそれぞれ2.1、2.2 製剤/配合成分と低く、一方、非農耕地用除草剤は11 製剤/配合成分で最も高く、次いで6.3製剤/配合成分の繊維用防虫剤が高かった。
屋内外別では、屋外で使用することを目的とした製剤が3.3 製剤/配合成分であったのに対し、屋内用のものは4.7 製剤/配合成分であった。
回答された母数が異なるので一概に比較はできないが、以上の結果から、剤型では固型剤、用途別では浴室用等カビ取り・防カビ剤や不快害虫用忌避剤及び鳥獣用忌避剤、使用場所別では屋外用の製剤の配合成分が他の製剤に比べて多様であり、非農耕地用除草剤や繊維用防虫剤の配合成分はある程度限定されていると考えられた。