・5 環境ホルモンとしてのエポキシ樹脂
環境ホルモンとは、女性ホルモン擬似物質のことです。
ベンゼン環(亀甲型の分子要素)を持 った物質のなかには、相当数の女性ホルモン擬似物質があります。
女性ホルモン擬似物質は自然 界にも存在し、大豆イソフラボンも今話題になっています。
細胞核の受容体がイソフラボンを女 性ホルモンと取り違えて結合し、女性ホルモンとしてふるまうことによる効果が期待されます。
その一方で、大豆から摂取するなら問題はありませんがサプリメントとして大量摂取すると、子 宮内膜増殖症、乳がんなどのリクスを高めるなどの危険があります。
工業製品としての化学物質の中に含まれる環境ホルモンは、自然界に存在するものにくらべて その濃度が桁ちがいに大きいのが特徴です。
これが環境中に放出されると、自然の生態系を破 壊・かく乱していくことになります。
また、人体への影響も懸念されます。
その工業製品による環境ホルモン物質の代表格がビスフェノールAです。
ビスフェノールAは 多くのプラスティック製品の原料になって、エポキシ樹脂の主原料でもあります。
そこで、製品 としてのエポキシ樹脂には一定量の未反応・未重合のビスフェノールAが含まれている可能性が あります。
これが人体に取り込まれると前述した毒性とは別の問題が生じます。
体内に吸収されるとホルモンとしてのふるまいをするようになるということです。
このことにも留意して、作業環境の換気に注意し、手袋・マスクの着用、うがいなどによって エポキシ樹脂との接触・吸入をなるべく避けるようにすれば安心して使えます。
また、硬化していないエポキシ樹脂を投棄することは、環境破壊の点から厳にいましめたいと 思います。
runより:イソシアネートの用途はもっと多く家庭内には100%存在すると言えます。
次回は用途を主に探っていく予定です。