・エポキシ樹脂の安全性を考える 2006/04/10 新規掲載
1 反応型樹脂の毒性について
接着剤や塗料のうち化学反応を応用して、硬化・重合をさせるものには、一定程度の毒性があります。
エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂のように主剤と硬化剤を反応させて硬化させるもののほか、
ポリエステル樹脂のように硬化剤と硬化促進剤としての触媒を用いて硬化させるものは反応型樹脂です。
酢酸ビニルエマルジョン(木工ボンド)やでんぷん糊、にかわのように水分が抜けて固化したり熱変性を 利用したりするものは非反応型接着材です。
塗料でいえばアルキド系のニスなども非反応型です。
一方、1液性のものであっても、空気中の水分に反応して硬化するシアノアクリレート(瞬間接着剤) のようなものは反応性を持っています。
反応型接着剤には、程度の差はあっても人体への反応性、感作性があると考えられます。
ここでいう樹脂の毒性とは、接着・塗装作業中に人体及ぼす毒性であって,硬化・養生の完了した 樹脂や塗料は当然反応性を失っており無毒であるといえます。
以下にエポキシ樹脂の接着作業上の毒性を示し、安全な使用法について述べてみたいと思います。
イソシアネートの種類
・イソシアネートモノマー
イソシアネートの種類加水分解性塩素
(ppm)
全塩素
(ppm)
含有量
(%)
HDI (ヘキサメチレンジイソシアネート) 脂肪族< 350 < 1,000 > 99.5
IPDI ( イソホロンジイソシアネート) 脂環式< 200 < 400 > 99.5
Scuranate™ T80 ( トルエンジイソシアネート、80% 2,4 TDI) 芳香族< 70 < 300 > 99.5
Scuranate™ T65 ( トルエンジイソシアネート、68% 2,4 TDI) 芳香族< 100 < 300 > 99.5
Scuranate™ T100 ( トルエンジイソシアネート、>99% 2,4 TDI) 芳香族< 150 < 700 > 99.5
Scurunate™ TX ( トルエンジイソシアネート、95% 2,4 TDI) 芳香族< 100 < 1,000 > 99.5